研究課題/領域番号 |
22591259
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
大城 将也 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40567880)
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研究分担者 |
中村 和彦 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (80263911)
松崎 秀夫 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (00334970)
鈴木 勝昭 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (00285040)
岩田 圭子 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (30415088)
立花 太郎 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80311752)
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キーワード | うつ病 / セロトニン・トランスポーター / 治療抵抗性 / 中枢神経系 / In vivo cross-link法 |
研究概要 |
本研究計画はTime-controlled transcardiac perfusion cross-linking法(tcTPC法:通称In vivo cross-link法)によりSSRIの脳内セロトニン・トランスポーターへの作用を阻害する原因タンパク質分子を検索し、治療抵抗性うつ病の病態解明を日指すものである。 In vivo cross-link法による候補分子検索(担当:岩田圭子・立花、連携:片山)を行っている。潅流固定後のマウス脳ホモジネートからセロトニン・トランスポーター特異的な抗体による免疫沈降を行い、得られた複合体を質量分析装置により分析するのであるが、当初この段階で得られた複合体にセロトニン・トランスポーターに結合する既知の分子が含まれず、用いたセロトニン・トランスポーター抗体の力価に問題があると考えられた。そこでセロトニン・トランスポーターに対応する力価の高いモノクローナル抗体を作製しなおす作業に入り、今年度終盤に至って、候補となる抗体が得られた。この抗体を使って予備実験を行ったところ、検索の結果から細胞内小胞輸送タンパク質であるNSF (N-ethylmaleimidesensitive factor)を含む数種類の候補分子が見出された。セロトニン・トランスポーターとNSFを共発現させた培養細胞系を作製して、NSFを阻害するRNAiを投与したところ、細胞内へのセロトニンの再取り込みが減少し、セロトニン・トランスポーターの機能を抑制することが示唆された。また、このとき細胞内のセロトニン・トランスポーターmRNAが代償性に増加していることも確認された。 次年度はNSFを含む複合体の精製をさらに行い、セロトニン・トランスポーターの機能との関連を調べるとともに、治療抵抗性うつ病との関連についても精査していく。
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