研究課題
近親婚を両親にもつ11名の妄想型統合失調症患者のDNAを用いてDNAマイクロアレイを用いてホモ接合マッピングを行いゲノム中でSNPsがホモ接合となりある一定量継続している部分(Runs of homozygosity, ROHs)を検出した。マイクロアレイはAffymetrix[○!R] Genome-Wide Human SNP Array 5.0である。得られたデータはファイル化され、Partek[○!R] Genomics Suiteで解析され、ROHが検出された。一方私達の所有する健常者コントロール92名を同様の方法で解析した。その際1)私達のROHの検出の方法が正しいこと、2)私達の所有する健常者コントロールはコントロールとして利用可能なこと、を示すために公表されている日本人のHapMapのSNPのデータを同じように解析し、ほぼ私達と結果と同様の結果であった。このことより本論文で用いた解析方法は方法論として適切であることが示された。患者群のROHは近親婚由来であるためにサイズは大きく、3名以上の重なりをもつROHの中に感受性遺伝子が入っているという前提をした。その結果、重なり合う人数が増えるほどその部分は小さくなった。これはとりもなおさす統合失調症が遺伝的に多種性にとむ疾患であることを示している。(Kurotaki et al., 2011,PlosOne)。この研究期間中では治療としてのmECTの評価を行い、治療中の循環器系の精査の意義、mECT施行の際の全身管理の必要性を論じた。更に、統合失調症とは全く異なる疾患である発作性運動誘発性舞踏アテトーゼの遺伝子解析においても本邦で用いる予定の次世代型シーケンサーを利用できないかの検討も併せて行なった。
2: おおむね順調に進展している
英語論文を作成し報告することができ、米国人類遺伝学会や、日本人類遺伝学会で報告することができた。まだ結論には至っていないが途中経過としては良好である、と判断している。
今後は求めたROHの中に感受性遺伝子があるか否かを次世代型シーケンサーで解析をする。このような試みは世界的にもまれであり、技術面での運用の程度が極めて問題になる。この点に関しては共同研究者とよく協議をして進めたい。
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