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2011 年度 実績報告書

自殺に影響を与える要因の多角的検討:水道水に含まれる微量なリチウムを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 22591264
研究機関大分大学

研究代表者

石井 啓義  大分大学, 医学部, 助教 (00555063)

研究分担者 寺尾 岳  大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
キーワードリチウム / 水道水 / 抗自殺効果 / 自殺
研究概要

私どもは微量なリチウムの抗自殺効果に注目し、既に大分県内の18市町村における水道水中リチウム濃度と自殺率の間に有意な負の相関があることを突き止め、British Journal of Psychiatry (Ohgami et al, 2009)へ掲載した。この時の研究では、水道水中リチウム濃度の測定点が少ないことと、自殺率に影響を与える可能性のある社会経済的要因、医療的要因、気象的要因、栄養的要因などを考慮していないことが限界であった。そこで今回の研究の目的は、対象地域を九州全域に広げることにより、水道水中リチウム濃度の測定点を増やしつつ、自殺に関連する可能性のある年間日照量、オメガ3脂肪酸の摂取量などや年間平均所得、年間失業率などの要因も調査し、これらの要因で補正しつつ解析を行うことで、本当に水道水中リチウム濃度と自殺率の間に負の相関があるかどうかを検討することである。昨年度と今年度で、九州8県の約9割の市町村役所、駅から水道水を採取し、また各県の水道局に依頼する事で合計260検体を確保した。これらの検体中の水道水中リチウム濃度は0.1未満~48μg/Lの間に分布しており、地域差の大きなことが再確認された。来年度も引き続き、未採取の市町村における水道水採取を続けていく。自殺に関連する要因に関しても、さまざまなデータを調査中であり、来年度も続ける。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

水道水サンプルや必要なデータの採取は順調であり、当初の予定通りに進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

各市町村役所、駅から水道水を実際に採取もしくは水道水や地元の大学に協力依頼する事で今後も水道水サンプルの採取を続け、九州全市の採取を終えたところで水道水中リチウム濃度と自殺率の間に負の相関があるかどうかを検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Low-dose lithium uptake promotes longevity in humans and metazoans2011

    • 著者名/発表者名
      Zarse K, Terao T, Tian J, Iwata N, Ishii N, Ristow M
    • 雑誌名

      Eur J Nutr.Epub

      巻: 50(5) ページ: 387-9

    • DOI

      DOI: 10.1007/s00394-011-0171-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ムードスタビライザーとしてのlithiumの現状と課題2011

    • 著者名/発表者名
      寺尾岳
    • 雑誌名

      臨床精神薬理

      巻: 14 ページ: 1463-1469

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 気分安定薬の自殺予防効果2011

    • 著者名/発表者名
      寺尾岳、石井啓義
    • 雑誌名

      臨床精神薬理

      巻: 14 ページ: 1967-1972

    • 査読あり
  • [学会発表] 水道水中のリチウムは自殺予防に働くか?2011

    • 著者名/発表者名
      石井啓義、寺尾岳、河野健太郎、荒木康夫、溝上義則
    • 学会等名
      第107回日本精神神経学会学術総会
    • 発表場所
      東京「ホテルパシフィックLEDAIBA、ホテル日航東京」
    • 年月日
      2011-10-26

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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