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2010 年度 実績報告書

生物学的手法による児童思春期精神病前駆状態と発達障害の鑑別とその介入について

研究課題

研究課題/領域番号 22591272
研究機関弘前大学

研究代表者

斉藤 まなぶ  弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (40568846)

研究分担者 古郡 規雄  弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20333734)
キーワード児童思春期精神医学
研究概要

12~18歳の児童思春期外来患者の精神病ハイリスク群について調査を行った。先行研究として、平均年齢15±2歳の初診患者88名に対し調査を行い、30名のARMS患者群30名を抽出した。平均観察期間8か月で統合失調症への移行率が47%であった。結果はこれまでの報告と同程度であり、児童思春期のみを対象としても一定の確率で顕在化に至ることが明らかとなった。ARMS群の63%が広汎性発達障害(以下PDD)であった。これらを第12回東北児童青年精神医学会にて報告した。
次にARMSとPDDの関連について検討した。12~18歳の患者182人を対象として調査し、74例のARMS患者を抽出した。44例のPDD群と非発達障害(以下NPDD)群30例に分けた。平均観察期間は14±11.6ヶ月であった。初期診断は神経症性障害が42%、大うつ病性障害が31%であった。観察期間12ヶ月時点での統合失調症への移行は17例(23%)であった。PDD群とNPDD群で移行率に差はなかった。本研究により思春期の子供たちが抑うつや不安症状に伴い、自我障害を呈することがあり、ARMSの基準に該当する根拠となりうることが示唆された。これらを第51回日本児童青年精神医学会及び第14回日本精神保健予防学会にて報告した。
さらに薬物療法を受けた74名の患者を調査した。12か月以上観察出来た患者35名のうち、抗精神病薬を投与されていた患者34名を抽出した。投与内容はARMS診断時及び12ヶ月時点で抗精神病薬と抗うつ薬の併用が最も多かった。併用も含め34名に抗精神病薬が投与されていた。平均投与量(CP換算)は初期投与量が83.1mg、維持量は191mgであった。スィッチングは平均1.1回であり、主な変更理由は眠気、食欲増加、月経不順などであった。12ヶ月顕在化群と12ヶ月未発顕在化群において、薬物投与量に差はなかった。これらを第20回日本臨床精神神経薬理学会で報告した。
現在論文投稿中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 弘前地区における児童思春期精神科診療の現状と今後の課題2010

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ
    • 雑誌名

      東北児童青年精神医学会機関紙

      巻: 11 ページ: 29-36

  • [学会発表] 精神病早期介入における発達障害の問題と今後~思春期におけるARMSの調査から~2010

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ
    • 学会等名
      第14回日本精神保健予防学会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2010-12-11
  • [学会発表] 思春期診療におけるAt risk mental state (ARMS)の頻度調査と発達障害群及び非発達障害群での比較2010

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ
    • 学会等名
      第51回日本児童青年精神医学会
    • 発表場所
      前橋市
    • 年月日
      2010-11-29
  • [学会発表] 思春期のAt Risk Mental State (ARMS)に対する抗精神病薬の使用調査2010

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ
    • 学会等名
      第20回日本臨床精神神経薬理学会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2010-09-17
  • [学会発表] 思春期診療におけるAt risk mental stateの頻度調査2010

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ
    • 学会等名
      第12回東北児童青年精神医学会
    • 発表場所
      秋田市
    • 年月日
      2010-06-20

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公開日: 2013-06-26  

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