研究課題
22年度は対象群の選択を行なった。高機能自閉症者15名である。高機能自閉症者の選択はタイムスリップの既往のあるものを選定した。自閉症の診断は、自閉症研究の国際水準となっているADI-R(Autism Diagnostic Interview Revised)とADOS(Autism Diagnostic Observation Scale)により行った。(i)Atographical Taskを作成した:(1)高機能自閉症者、本人と主な養育者に対して別々に聴取した。個人の生活歴(autography)、幼児期、小児期、中学、高校、大学、社会人など経時的に聴取した。次に家族、友人、同僚など周りの人のことを中心に対人的な関係を詳しく聞いた。そして主なイベントとして、運動会、修学旅行、入学式、卒業式、入社式などについてたずねた。さらに個人史の中で楽しかったこと、うれしかったこと、つらかったこと、悲しかったことなどを聴取した。高機能自閉症者については現病歴の中でタイムスリップ現象を確認しその状況を明確に把握し、家族、主治医に対して詳細に聴取を行なった。(ii)ドパミンのPET計測を行なった:浜松ホトニクス社製頭部専用PETスキャナSHR12000を用いた。トレーサーにはSCH23390を用い脳内のドパミンD1受容体数の指標を用いた。画像解析プログラムPMODを用いて対象者のabsolute DV imageを作成し、このimageを標準脳にワープさせることによりSPM全脳解析を施行した。これらの情報をもとに、結合の変化率から、各脳部位で放出されるドパミン量を測定した。平成22年度はこの新規トレーサーに対する解析実験が修了した。
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Arch Gen Psychiatry
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