研究課題
本研究課題の目的は、高機能自閉症者にみられる「タイムスリップ現象」に代表される記憶再構築障害に果たすドパミン系の役割を、ポジトロン断層法(PET)を用いて明らかにすることにある。平成24年度は、以下の実験を行った。① 高機能自閉症の記憶再構築障害に対するエクスポージャー療法前年度までに選定した高機能自閉症成人15名を対象とした。対象者の生活歴を詳細に聴取し、タイムスリップ現象として想起される対人関係における不快なライフイベント、および、この不快な記憶を惹起させる感覚的cue(聴覚、視覚、触覚、嗅覚のいずれか)を同定した。各対象者に、cueを与えタイムスリップ現象を誘発した後、この不安定化した記憶に修正を加える操作(その体験は過去の出来事であり、今は恐れる必要がないし、今は起こらない)を行った。このエクスポージャー療法を2週間、毎日施行した。② エクスポージャー療法と脳内ドパミン系エクスポー者療法から長くとも2週間以内の時点で、11C-SCH23390をトレーサーとするPETを施行した。PET計測には頭部専用PETカメラSHR12000を用いた。ダイナミックPET画像をPMODソフトウェアによる解析に供し、脳内ドパミンD1受容体のdistribution volumeを計測し、パラメトリックマップ画像を作成し、標準化、平滑化の後にSPMによるボクセルレベルの統計解析に供した。現在、この結果について論文を作成中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
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