研究課題
基盤研究(C)
本研究課題の目的は、自閉症者の脳内グルタミン酸神経伝達系における異常の有無について、磁気共鳴スペクトル法(MRS)を用いて検討することである。20 歳以上の成人自閉症者(n=35)、および、それらと性別・年齢を一致させた健常者(n=35)を対象に、3T MR 装置を用い小脳虫部、内側前頭皮質、基底核、海馬+扁桃体の各関心領域の代謝物(N アセチルアスパラギン酸、コリン、クレアチン、ミオイノシトール、グルタミン酸、グルタミン)の濃度を求め、関心領域内の灰白質体積で補正後、自閉症群と健常対照群とで比較した。その結果、いずれの関心領域においても、各代謝物濃度に両群間に有意差はなかった。本研究の結果は、先行研究が示唆する自閉症脳内グルタミン酸神経伝達系の異常を支持しなかった。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (1件)
Int J Neuropsychopharmacol
巻: 13 ページ: 529-534