研究課題/領域番号 |
22591289
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
吉岡 和子 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (30448815)
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研究分担者 |
實松 寛晋 九州大学, 大学病院, 助教 (30588116)
中尾 智博 九州大学, 大学病院, 講師 (50423554)
中川 彰子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70253424)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 社会医学 / 精神科 / 強迫性障害 / 長期予後 / 高次認知機能 |
研究概要 |
来院調査が行えた17名(治療後平均79.7ヶ月(SD=17.6))を対象に、WMS-R(視覚的、言語的記憶を評価する検査)、WCST(遂行能力を評価する検査)、Stroop test(選択的注意機能を評価する検査)を実施し、強迫性障害患者における、遂行機能、空間認知機能などの高次認知機能について検討した。 治療前と追跡時の比較で有意差を認めた検査は、Stroop test とWCSTであり、両者とも追跡時の結果の方が良好であった。次に治療前、追跡時のそれぞれで若年発症群(17歳以下発症、8名)と後期発症群(18歳以上発症、9名)の比較を行った。治療前はWMS-Rの言語性記憶、一般記憶で若年発症群の方が、有意に結果が良かった。追跡時はWMS-Rの一般記憶で若年発症群の方が、有意に結果が良かった。群間(発症年齢)と時期(治療前後)をあわせて2要因分散分析もおこなったが、交互作用は有意でなく、群間による差は認めなかった。 また、治療前と追跡時の検査結果について、cleaning(有8名、無9名)、forbidden thoughts(有13名、無4名)、symmetry(有5名、無12名)の症状因子について、症状の有無による比較を行った。有意差はcleaningのみに認められ、治療前は症状の有無で差は認めなかったが、追跡時は症状有群でWMS-Rの注意・集中の結果が有意に悪かった。 治療前のY-BOCSの平均は28.5点、追跡時の平均は13.7点であり、症状改善に伴い、遂行機能や選択的注意機能といった高次脳機能も改善される可能性が示唆された。発症年齢は治療による神経心理機能の変化に影響を与えていなかった。本研究の限界として、対照群を置いていないため、検査結果の改善が学習効果による可能性を否定できないこと、群間に分けて結果を検討するには対象人数が少ないということが挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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