研究課題/領域番号 |
22591293
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
仲秋 秀太郎 慶應義塾大学, 医学部, 特任准教授 (80315879)
|
研究分担者 |
三村 將 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00190728)
村井 俊哉 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30335286)
宮田 淳 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90549099)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | アルツハイマー病 / 精神症状 / 形態画像 / テンソル画像 |
研究概要 |
目的:患者および介護者に強いストレスを与えるアルツハイマー病における妄想、幻覚、興奮や易刺激性などの精神症状への脆弱性と関連した発現機序は、いまだ不明である。そこで、これらの精神症状が併発していない軽度アルツハイマー病患者を2.5年間追跡調査し、ベースライン時点で撮影した頭部MRI画像の脳形態画像と拡散テンソル画像の情報および患者の心理社会的な背景などを複合的に検討し、精神症状が出現した患者としなかった患者との差異を検討する。 方法:名古屋市立大学こころの医療センター外来を受診したアルツハイマー病患者で妄想、幻覚、興奮や易刺激性などの精神症状が併発していない患者を対象とした。 臨床症状の評価はNPIを施行し、MRIを用いて撮影を行う。ベースラインの時点から半年ごとに、NPIを測定する。画像解析には形態画像はVoxel-Based Morphometry(VBM)を用い、拡散テンソル画像によりFractional Anisotropy (FA)、Mean Diffusivity (MD)などの拡散指標の異常の有無をソフトウェアで解析する。 結果:縦断的な経過で妄想や焦燥感の出現したアルツハイマー病患者10名と妄想が出現しなかったアルツハイマー病患者22名はベースラインでの頭部MRIでのVBMによる解析では、妄想の出現したアルツハイマー病患者では、出現しなかった患者に比較して、前頭葉眼窩部と内側面、島などの灰白質体積が有意に減少していた。FSLおよびDr.Viewによる解析では、妄想の出現したアルツハイマー病患者では、出現しなかった患者に比較して、拡散テンソル画像の脳梁膝部や帯状束のFA値も有意に低下していた。 考察:前頭葉の前頭葉眼窩部と内側面、島などの灰白質体積異常および脳梁膝部や帯状束などのFA値の低下は、アルツハイマー病の精神症状の出現の脆弱性と関連している。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|