本科学研究費補助金を用いて、強迫性障害の新規分類基準の生物学的妥当性、臨床的有用性に関する検討を三年間にわたって行った。例えば、強迫性障害患者86例を、symptomdimensionにより分類し、治療法などを検討した。この中では、特に保存(hoarding)dimensionが優勢な患者において、SSRIやCBTなど、OCDの定型的治療に対する抵抗性を確認した。さらには、symptomdimensionの臨床的な有意性を高める為、各患者の最も優勢なdimensionを分類基準として類型化し、その各群が如何に各dimensionの有する特性を反映し、治療法や反応性を含め差別化するかを検討した。その他、この間に、多くの論文や書籍の中で、最新のOCDに対する治療ガイドラインを提唱し、その標準化や普及に努めた。
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