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2010 年度 実績報告書

不規則勤務による睡眠のミクロ構造上変化と精神状態および機能

研究課題

研究課題/領域番号 22591299
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

小曽根 基裕  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50246386)

キーワードCAP(cyclic alternating pattern) / 不規則勤務 / ミクロ構造 / うつ病
研究概要

本研究は自覚的な睡眠障害や精神症状をもたない不規則勤務者の睡眠をCyclic alternating pattern(CAP)法を用いてミクロ構造レベルまで解析し、勤務形態による睡眠構造の変化を明確化するとともに、日中の気分や眠気、精神作業能力、記憶などとの関連を明らかにすることである。対象は、自覚的に睡眠や気分、精神作業能力に異常を認めない不規則勤務者(SH)、および対照として非不規則勤務者(RG)とした。被験者は一週間前より、睡眠日誌およびアクチグラフにより、睡眠覚醒リズムを観察した。
測定項目は、1)睡眠ポリグラフ(PSG;0時より7時30分まで検査室にて測定、後日R&K法およびCAP法にて視察判定)、2)深部体温、3)自律神経活動(MBIT)とした。
またPSG測定前後に以下の項目を測定した。
a) 主観的評価尺度
1) PSQI(ピッツバーグ睡眠調査票),SMH(セントマリー病院睡眠質問票)
2) POMS(精神状態),SF36(QOL)
3) Visual analogue scale(自覚的眠気・疲労感・身体症状)
4) GSRS(消化器症状)
5) MDQ(月経関連症状)
b) 認知機能検査:記憶関連:無関連対語テスト、Mirror drawing test, Trail marking test(前頭葉機能),DSST (Digit symbol substitution test),精神作業能力:PVT(Psychomotor vigilance task test)
結果
1) 平成22年度に測定を行った被験者はSH群3名(平均26.7才)、RE群5名(平均32.0才)で全例女性であった。
SH群において・・
2) PSQIが5.5ポイント以上は1例(33.3%)であった。
3) POMSの抑うつ指数は53ポイントとRG群42.8ポイントより高かった。
4) MDQスコアは51ポイントとRG群20.3ポイントより高値であった。
5) R&K法による睡眠パラメータの平均は睡眠効率が96.9%,睡眠潜時5.3分で、各睡眠段階の割合においてもRG群と差は認めなかった。
6) CAPパラメータでは平均CAP率は41.2%でRG群34.1%より高値を示した。特にstage2におけるCAP cycle数は246.7回と158.3回と比較して高を示した。
現時点では統計学的処理が行えないものの、SH群で睡眠の不安定性が増している可能性が示唆された。

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公開日: 2012-07-19  

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