研究課題/領域番号 |
22591301
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
内山 真 日本大学, 医学部, 教授 (20221111)
|
研究分担者 |
金野 倫子 日本大学, 医学部, 講師 (90282053)
坂井 禎一郎 日本大学, 医学部, 講師 (80225763)
大賀 健太郎 日本大学, 医学部, 講師 (10246861)
|
キーワード | うつ病 / 疫学 / 病前性格 / 睡眠 / 神経質 |
研究概要 |
うつ病のスクリーニングとして信頼性の高いM.I.N.I(Mini International Neuropsychiatric Interview)、疫学におけるスクリーニング尺度であるCES-D(Center for Epidemiological Studies Depression Scale)、自記式性格検査、家族歴に関する質問などを盛り込んだ独自の調査表を作成した。生活・睡眠習慣とうつ病との関係を明らかにするため、睡眠評価尺度のPSQI(Pittsburgh Sleep Quality Index)、睡眠障害国際分類による睡眠障害診断基準、飲酒や喫煙、運動習慣などを含む生活習慣に関する質問、ストレスや対処行動、性格に関連する項目を盛り込んだ。電子住宅地図からの層化3段無作為抽出法を用いて一般人口を対象に「日本大学気分障害生活習慣調査(平成21年8~9月)」を行った。このデータをもとに、本年度は、まずAngstらがヨーロッパで行った大規模疫学調査と同様のM.I.N.I基準を用いたうつ病の有病率を算出した。うつ病の時点有病率は5,3%であり、男性では5.9%、女性では4.7%で、有意な性差はみられなかった。年代に関しては、若年成人で3.5%、中年62%、老年5.8%で年代による頻度に有意差がみられた。性格では、神経質を満たした対象は19.1%、メランコリー親和性を満たした対象は20.1%であった。うつ病との関連を明らかにするため、その他の変量も加えて、多重ロジスティック回帰分析を行ったところ、神経質はオッズレシオ3.8と有意な正の関連を示したが、メランコリー親和性は有意な関連を示さなかった。日本の一般人口からサンプルした大規模データにおいて、うつ病と性格の関連を検討したのは本研究が初である。この結果は、神経質とうつ病が強い正の関連を示し、この点に関しては欧米諸国での結果ときわめて近いものと考えられた。
|