研究課題/領域番号 |
22591301
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
内山 真 日本大学, 医学部, 教授 (20221111)
|
研究分担者 |
大賀 健太郎 日本大学, 医学部, 講師 (10246861)
坂井 禎一郎 日本大学, 医学部, 講師 (80225763)
金野 倫子 日本大学, 医学部, 講師 (90282053)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | うつ病 / 不眠 / 睡眠習慣 / QOL / 睡眠不足 / 入眠障害 / 中途覚醒 / 早朝覚醒 |
研究概要 |
うつ病のスクリーニングとして信頼性の高いM.I.N.I (Mini International Neuropsychiatric Interview)、疫学におけるスクリーニング尺度であるCES-D(Center for Epidemiological Studies Depression Scale)、自記式性格検査、家族歴に関する質問などを盛り込んだ独自の調査表を作成した。生活・睡眠習慣とうつ病との関係を明らかにするため、睡眠評価尺度のPSQI (Pittsburgh Sleep Quality Index)、睡眠障害国際分類による睡眠障害診断基準、飲酒や喫煙、運動習慣などを含む生活習慣に関する質問、ストレスや対処行動、性格に関連する項目を盛り込んだ。電子住宅地図からの層化3段無作為抽出法を用いて一般人口を対象に「こころの疫学プロジェクト’09」を行った。22年度はうつ病の心理社会要因についての検討を行った。23年度は、身体および精神健康感に対して不眠の与える影響の特徴を検討した。20歳以上の成人2559名から回答が得られた(回答率54%)。身体健康感不足は男性16.5%、女性17.3%、精神健康感不足は男性11.6%、女性11.3%にみられた。身体健康感不足と睡眠の問題の関連を検討したところ、中途覚醒、短睡眠時間、長睡眠時間、睡眠休養不足感は有意な関連を示した。精神健康感不足と睡眠の問題の関連を検討したところ、入眠困難、日中の眠気、睡眠休養不足感は有意な関連を示した。24年度には、これらの交絡要因となる社会統計学的要因、生活習慣などを投入した社会人口統計学的モデルをたて多変量解析を行いその結果を国際誌に発表した。うつ病と睡眠習慣の関連に関する予備検討を行い、就床時間の短縮が特異的にうつ病症状発現と関連していることを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度には計画通り、不眠の亜型による生活の質に与える影響を疫学データを用いて解析した。この結果、不眠亜型により、身体的あるいは精神的QOLに対する影響が異なっていることを発見し、欧文国際誌Sleep Medicineに投稿し24年度に出版された。さらに、うつ病と睡眠習慣の関連について検討し、就床時間の短縮がうつ病症状発現と関連する事を明らかにした。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、22年度研究、23年度研究、24年度研究で得られた結果と、うつ病に関連する睡眠習慣としての就床時間の短縮に関する検討を進め、睡眠障害への介入および睡眠習慣の改善によるうつ病およびそれに伴う生活の質低下の改善プログラムを作成する。
|