本研究は、初発および難治性うつ病患者および健常者を対象として、脳内カテコールアミンを評価する手法として神経メラニンMRI検査とPET検査を実施することで、うつ病発症におけるシナプス前での脳内カテコールアミン機能の評価と、難治性うつ病の病態としての脳内カテコールアミン機能の変化を評価することを目標とし、更に治療経過を前方視的に追跡することで、治療効果による変化を評価することを目的としている。 そこで、今年度は、3テスラMRIを用いてうつ病発症における役割を評価するために、薬剤抵抗性うつ病を中心としたうつ病患者、比較対象として健常者、疾患対照群の神経メラニンMRI画像を撮像することとした。気分障害圏患者8名(双極性障害2名を含む)、健常対照者19名(60歳以上の高齢者5名を含む)の神経メラニン画像を撮像した。PETデータは得る事が出来なかった。また神経メラニン画像による脳内カテコールアミン機能の比較検討を行うために、疾患対照群として他の精神疾患患者66名(認知症、統合失調症、てんかん等)の神経メラニン画像を撮像した。少数例であるが、得られたデータを診断名、状態像、治療経過、年齢などの点から解析を行っている。
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