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2012 年度 実績報告書

DC脳電位の生理機能の解明と精神疾患治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22591308
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

榛葉 俊一  公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 研究員 (80175398)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワードDC電位 / CNV / 意欲 / 注意 / 覚醒 / 精神疾患 / ラット / マウス
研究概要

DC電位と脳や心の働きとの関連を、動物実験における基礎的な研究と精神疾患患者における臨床的な研究において解析することを続けている。これまでの研究における、睡眠やけいれん、学習などに関する知見を踏まえ、DC電位を精神疾患の診断や治療に利用することにつながる研究結果を得ている。
動物を用いた研究では、意欲や動機付け、行動準備やメンタルセット、そして覚醒との関連で記録と分析を行ってきた。動機付けに関する研究では、前頭部、頭頂部、後頭部の脳表に銀塩化銀電極を装着したラットにおいて、覚醒無拘束状態で内側前脳束の頭蓋内自己電気刺激時にDC電位を記録すると、高頻度自己刺激時にはDC電位が陰性にシフトした。DCシフトはレバー押しが開始されるとすぐに始まり、休止期になると陽性方向に戻る変化が見られた。この変化は後頭部よりも前頭部と頭頂部で明確に出現した。前頭・頭頂部のDC電位は意欲に関連する行動のコントロールに関わることを示した。メンタルセットについての研究では、前頭葉の神経発火とDCレベルとの関連が見出されている。覚醒についての研究ではDC負荷と脳波基礎律動との関連を解析している。
臨床研究においては、倫理委員会の承認のもと被検者からの文書同意をとり、経頭蓋的直流電気刺激法の診断治療における利用法の検討を続けている。前頭部に1mAの直流電流を20分負荷することによる心理生理学的変化を不安障害やうつ病の患者において分析し、精神疾患の病態理解につながる知見を得ている。今後さらに症例を増やしていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物実験については、データが得られ、それに基づいて分析を継続している。DC電位の生理機能についてまとめることを進めている。精神科臨床における研究についてもデータが蓄積し、DC電位の心理機能における役割を検討している。

今後の研究の推進方策

動物実験、臨床研究ともに結果をまとめ、新たな知見を論文に記載するとともに、臨床の現場でDC電位を用いた診断治療法を実践していく研究をさらに進めていく。
精神疾患では、うつ病や不安障害、身体表現性障害を対象としているが、それぞれの疾患におけるDC電位の知見の違いや利用法を今後明らかにしていくことが必要である。DC電位が精神科外来治療における、新たな診断治療のツールとなることを目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 慢性疼痛に対する電界治療の有効性: 明確な基礎疾患を有しない症例におけるパイロットスタディ2012

    • 著者名/発表者名
      榛葉俊一
    • 雑誌名

      日本統合医療学会誌

      巻: 5 ページ: 68-72

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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