研究課題/領域番号 |
22591312
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研究機関 | 公益財団法人神経研究所 |
研究代表者 |
井上 雄一 公益財団法人神経研究所, 研究部, センター長 (50213179)
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キーワード | 居眠り運転 / 睡眠時無呼吸 / 対処法 / 仮眠 / カフェイン / 職業運転手 |
研究概要 |
居眠り運転防止のためには、眠気のつきやすい状況下で、過不足無く居眠りを防止しうる対応行動を取る必要がある。本研究では、運転者がどのような対処行動を取っているか、どのような場面で対処行動(特にもっとも重要視されている仮眠とカフェイン摂取に注目して)を取っているかを調査した。 東京都内の運転免許センターで運転免許更新した、一般ドライバー(n=3365)と職業ドライバー(n=716)を対象にアンケート調査を実施した。アンケート内容には、運転距離、免許取得後の年数、現在の運転状況、眠気への対処行動などについての項目を設定した。 職業運転手では、非職業運転手に比べて、有意に居眠り運転ならびにこれと関連した事故の既往が多かった。非職業運転手では、眠気を催すような状況(前夜の睡眠不足ならびに夜勤後)が上記の対処行動として仮眠を取ることの関連要因になっていた。一方、職業ドライバーでは、男性であることと、過去に眠気と関連した事故の既往があることが、仮眠の関連要因であった。コーヒー摂取に関しては、免許取得後の年数が短いことと長距離運転が連続することが有意に関連していた。 非職業運転手では、眠気発現ないしこれを予測することによって仮眠を取っていることが伺われたが、職業運転手では事故経験が無い限り、眠気を我慢して運転を続けてしまう傾向がある可能性が推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に事故の関連要因を、本年度に対処行動の関連要因に関する情報を整理、解析することができた。横断・ないしレトロスペクティブな調査は、ほぼ85%以上予定を消化したといえよう。
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今後の研究の推進方策 |
居眠り事故には、眠気を自覚してから起こるものと、無自覚のうちに起こるものがあり、後者はレトロスペクティブな調査では、把握が困難である。今後は前方視的な検討、居眠り防止のための介入を加えた効果を集積・解析する予定である。
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