研究課題/領域番号 |
22591313
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
千葉 知 北海道大学, 北海道大学病院, 医員 (40553368)
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研究分担者 |
吉永 恵一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30435961)
筒井 裕之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70264017)
加藤 千恵次 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (10292012)
大山 徳子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70463742)
山田 聡 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (80374320)
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キーワード | 酢酸PET / 心エコー検査 / 心臓再同期療法 / 心筋Strain / 心筋局所の仕事量 / 心筋血流シンチ |
研究概要 |
血管拡張薬・利尿薬による標準的な治療を行ってもNYHA分類III~IV度の重症心不全症状を有し、左室駆出率(EF)が35%未満、収縮に非同期を示す治療抵抗性の重症心不全症例が対象とした研究です。心臓再同期療法(CRT)による心臓の非同期を補正する治療の前と治療の6ヶ月後で9症例の検査データを得ました。著明なreverse remodelingを起こした症例も含め、心電図上のQRS幅とも比較検討に加えて、炭素11標識酢酸PET、心エコーにより解析中です。両心室ペーングによる心臓再同期療法(CRT)施行後、左室の血行力学、機能、QOLが改善する例が増加する症例が多数、報告される一方で、30%の患者はCRTによる治療効果が得られないと報告されています。ティッシュドプラ法を用いた心筋Strain、Strain rateの計測は、局所壁運動の定量評価法として有用であることが報告されています。CRT治療後に心エコーで測定した心筋局所の仕事量の変化が、酢酸PETで計測する心筋酸素消費量の変化と,一致し、仕事効率として計算すると局所で改善することが予想されます。治療前の心筋局所の仕事量と心筋酸素代謝の不均一さの組み合わせは、CRTのresponderを予測することを検討中です。それに加えて、血中バイオマーカーや心筋血流シンチの非同期解析、運動耐容能、心筋酸素消費量と心筋血流を用いたサブ解析も使用し、responderを規定する因子を検討中です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心臓再同期療法の治療前後で9例(治療前のもののみは11例)の検査データを得ました。著明なreverse remodelingを起こした症例における採血、酢酸PET、血流シンチ、心エコーによる解析が進行中です。症例を増やしながら、器質的心疾患ごとのresponder予測も行う予定です。
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今後の研究の推進方策 |
一部の症例では、心臓再同期療法による治療効果が著明に得られた。そのresponderとなる規定因子は得るため解析を継続しています。心エコーと酢酸PETによる治療前の心筋局所の仕事量と心筋酸素代謝の不均一さの組み合わせだけではなく、血流シンチによる非同期の評価や、酢酸PETのサブ解析によりrespondre予測となる因子を抽出に取り組んでいます(血中バイオマーカーでの評価も検討中)。また、心臓再同期療法のresponder予測を器質的心疾患ごとにも検討しています。
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