研究課題
脳形態計測法として古くから関心領域法が用いられてきたが、観測者内・間の測定誤差が問題とされてきた。近年では全自動解析法であるvoxel-based morphometry(VBM)法が開発され、全脳における観測者に依存しない自動形態計測の手法が広まってきたが、空間的正規化・皮質白質分画化・平滑化などの妥当性からその限界点も指摘されてきた。局所皮質容積には皮質厚・皮質表面積・脳回皺襞パターンの総合的な結果が反映されるが、本研究で用いる表面形態計測ではこれらの要因を別々に解析することが可能である。昨年度までの研究においてstatistical parametric mapping (SPM8)およびFSLのツールであるSIENAを用いてMRI装置に内在する傾斜磁場非線形性および信号値不均一に対する補正が灰白質容量を含む脳容積計測精度を高めることをファントムおよび生体脳を用いて明らかにしてきたが、皮質厚測定ツールであるFreeSurfer (FS)では生体脳に有意な影響を与えることを検証できなかった。この結果は大脳皮質厚測定にはMRI撮像における上記補正が有意な影響を与えない、すなわち補正の必要がない可能性が示唆される一方で、大脳皮質厚を規定する画像を視覚的に確認したところ脳表・灰白質白質抽出エラーが生じている場合が少なからず認められた。そこで最終年度である本年、新たに灰白質厚測定ツールであるBrainVoyager (BV)を導入し、上記補正の有用性を検証した。その結果、BVを用いた形態計測においても補正前後における局所皮質厚の有意な変化を観測することは出来なかった。この結果は大脳皮質厚測定にはMRI撮像における上記補正が有意な影響を与えない可能性が高いことを示唆し、大脳局所皮質厚測定と容積データは異なる脳形態の表現型を見ていることが示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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