本研究の目的はマウスのリンパ系のMRIおよび光イメージングによる解析であるが、平成22年度は基礎的な検討を行った。 MRIを用いたリンパ管造影において細胞外液性造影剤であるGd-DTPAと肝特翼性造影剤であるGd-EOB-DTPAの比較を行った。マウス右後脚にそれぞれの造影剤を投与してMRIで撮影を行った。造影剤の投与量はマウス1個体あたり0.1、0.5もしくは2.0μmolとした。いずれの造影剤においても投与後に速やかなリンパ節の描出がえられ、引き続き造影剤はリンパ節から洗い出された。リンパ節の描出は造影剤間において有意差はなかった。造影剤投与量が最小の0.1μmolでもリンパ節は描出され、投与量が増加するとリンパ節の描出がより明瞭になった。リンパ節間を連結するリンパ管は造影剤投与量が最小の0.1μmolで淡く描出され、投与量が増加するとより明瞭に描出された。マウスの静脈は造影剤投与鼠が0.1μmolでは描出されず、2.0μmolにおいて明瞭に描出された。同一マウスにおいて左右の後脚もしくは尾基部に造影剤を投与することにより、それぞれの投与部位からのリンパ路の検討が行えた。 マウス右後脚にGadofluorine Mと最子ドットの混和液を投与し、同一固体におけるMRIと光イメージングによるリンパ節解析を行った。それぞれのモダリティにおいてリンパ節の描出がえられたが、MRIに比較して光イメージングではよりimaging time windowが広く、MRIではリンパ節とリンパ管の区別が困難であった場合も光イメージングではリンパ節を選択的に描出することが行えた。
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