研究課題
昨年度までに、培養細胞実験において、アンドロゲン依存性およびアンドロゲン非依存性前立腺癌株を用いて、ERαの発現の変化をFESによりモニタリング可能であるかを検証した。アンドロゲン依存性前立腺癌細胞株LNCaPをアンドロゲン除去培地で培養すると、しばらく増殖能が低下するが、その後増殖能を回復し、アンドロゲン非依存的な増殖を示した。この細胞をPCR法でERαの発現を見ると、アンドロゲン非依存的性のLNCaPではERαの発現が増加していた。これらの細胞にFESを添加すると、通常のLNCaP細胞に比べてアンドロゲン非依存的性LNCaP細胞ではFESの高集積を認めた。この結果はPCR法によるERα発現を評価した結果と一致した。平成24年度ではLNCaP細胞におけるERαの機能を検討した。LNCaPに発現するERαをsiRNAを用いてノックダウンすると、細胞増殖能、細胞遊走能のいずれもが低下したことより、ERαが腫瘍増殖に促進的に関与することが示唆された。動物実験では、LNCaPをマウスに皮下移植して、精巣除去後のERα発現の変化を観察した。移植腫瘍体積の増加は精巣除去 により一旦抑制されるものの、約3週間後には再び増加に転じており、アンドロゲン非依存性を獲得したことが示唆された。腫瘍のアンドロゲン非依存性獲得とERα発現との関連について検討すると、FES集積は精巣除去後4週後で増加し、8週では有意差を認めた。ERαの発現はmRNAレベルおよび免疫染色のいずれにおいても、精巣除去後4週後より増加傾向を示しており、FES集積の結果と一致した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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