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2011 年度 実績報告書

320列MDCTを用いた局所肺機能評価法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22591327
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

村田 喜代史  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127038)

研究分担者 高橋 雅士  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (20179526)
新田 哲久  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40324587)
キーワードX線CT / 呼吸気CT / 定量的評価 / エアトラッピング / 機能CT診断
研究概要

平成23年度は、前年度に確立した320列面検出器型MDCTのヘリカルスキャン法による全肺吸呼気CTを用いた局所肺機能評価法の検証を行った。対象は正常ボランティア26例、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のGOLD1型9例、GOLD2型あるいは3型12例の計47例である。得られた全肺吸呼気CTデータをワークステーションに転送し、市販の解析ソフト(GE社製)を用いて、全肺および肺葉ごとに新しく考案した吸収値容量指数(attenuation volume index, AVI)を計算し、同時に従来用いられてきたエアトラッピングの指標であるピクセル指数(PI)やエアトラッピング率(ATR)も同時に算出し、比較検討した。また全肺におけるこれらの指標と呼吸機能検査における1秒率や1秒量との相関を検討した。1秒率との相関では、AVI,PI,およびATRのいずれの指標も良好な相関を示した(相関係数0.76,-0.85,および-0.72)。しかし、正常群、GOLD1群、GOLD2/3群で平均値と標準偏差から変動係数(variation coefficient, VC)を求めたところ、各群においてPIはAVIよりVCが大きかった。また、肺葉ごとの指標を求めたところ、6葉中4葉でATRは正常群とGOLD1群の間での有意差はなく、また肺葉に関して一定の傾向もみられず、軽度のCOPD変化の検出に問題がある可能性が示された。これに対して、AVIでは正常人においても上葉と下葉の間に指標の有意差がみられ、生理的な局所肺機能の違いも定量的に評価できる可能性が示された。したがって、AVIは被検者の呼吸努力によらずに局所のエアトラッピングを定量的に評価できる有用な指標と考えられた。今後は、この局所肺機能指標を用いて、各肺葉ごとにAVIと中枢気管支の外径や壁肥厚との関係を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初想定したダイナミックCTを用いた局所1秒率の評価法の確立には失敗したが、吸呼気全肺ヘリカルCTを用いた肺葉ごとの安定した定量的局所肺機能評価法を確立することができ、その有効性に関する検証もできたため。

今後の研究の推進方策

今後は、肺葉ごとの機能指標と高分解能CTによる気管支の形態変化との関係を解析し、COPDにおける中枢気道と細気管支の関与に関する検討を行う予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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