研究課題/領域番号 |
22591328
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
古川 顕 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80199421)
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研究分担者 |
安藤 朗 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252395)
金崎 周造 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90464180)
陳 延偉 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60236841)
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キーワード | 腸管運動 / MRI / 機能画像 / 定量評価 / 消化管 |
研究概要 |
(1)前処置法、MRI撮像法の確立 前年度の研究より非吸収性検査食(ニフレック:味の素社)1500mLを使用した検査では、腸管径の計測がcine-MRIで可能であり、その周波数から消化管機能評価が可能であるが示された(Makoto Wakamiya,, Akira Furukawa, Shuzo Kanasaki,, Kiyoshi Murata.Assessment of Small Bowel Motility Function With Cine-MRI Using Balanced Steady-State Free Precession Sequence.JMRI33:1235-1240,2011.)。しかし、臨床例への応用を考慮すると投与量が多い問題があり、平成23年度は、グルコース(OGTT試薬)を検査薬としたcine-MRI検査を試みた。また、同時に空腹時の消化管運動のデータも収集し定量評価を試みた。その結果、MRI撮像は問題なく行われ、高解像度の画像が得られた。 (2)健常例、術後症例、薬剤付加症例のデータ収集ならびに、MRIデータの定量解析法の確立 健常例、および肥満術前後(胃形成術)の症例においてグルコース(OGTT試薬)飲用前後のcine-MRIを撮像し、現在も症例を重ねているところである。また、健常ボランティア8名に対し、空腹下に漢方薬(大建中湯)投与前後での消化管蠕動運動の比較を行った。また、同様のデータを腹部術後の症例で現在もデータ収集中である。その結果、グルコース飲用後、肥満術後、漢方薬飲用後に明らかな蠕動亢進が肉眼評価で確認された。コンピュータを用いた定量評価では、これら少量の経口付加では腸管の径測定は困難であった。そのため、1)短い区間の腸管の面積変化、2)関心領域の信号変化量から腸管蠕動運動の定量評価を試み、一定の成果を得たが、腸管内信号の指標への影響が問題として残る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度で、経口造影剤付加を行う、cine-MRIで腸管運動を定量評価する方法を検討して一定の成果を得て、その成果は本領域で代表的な国際雑誌(JMRI)に採択された。また、平成23年度は、当初の目的であった、少量の経口造影剤の開発と、健常例、術後症例、薬剤付加症例におけるのデータの収集をし、MRIデータの定量解析法の確立に向けて研究を進めることができた。また、その成果は、下記、国際学会で報告した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、疾患患者でも許容可能である少量の経口造影剤投与下のcine-MRI検査、現在研究中のMRI定量評価法について精度の向上に努めたい。また、その成果を用いて、消化管蠕動運動に対する薬剤の効果や、腹部術後の消化管運動、糖尿病患者における消化管機能障害についてのcine-MRI評価に取り組みたい。現在、研究遂行における大きな障害はなく、計画変更の予定はない。
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