研究課題/領域番号 |
22591329
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中本 裕士 京都大学, 医学研究科, 講師 (20360844)
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研究分担者 |
石津 浩一 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50314224)
河嶋 秀和 国立循環器病研究センター, 画像診断医学部, 室長 (70359438)
光森 通英 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10263089)
上野 貴之 京都大学, 医学研究科, 助教 (40452362)
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キーワード | FDG / PET / 乳癌 / 早期発見 / 高感度 / 高分解能 |
研究概要 |
2種類(O型およびC型)の乳腺専用PET装置のうち、スペックとしてより高い性能が期待されるO型装置についてNEMA NU 4-2008に基づき、物理的性能評価を行った。この装置の検出器は1個のサイズが1.45xl.45x4.5mm、4層のDOI(depth of interaction)検出器で、lutetium oxyorthosilicateの結晶体より構成される。FOV(field of view)は体軸方向に155.5mm、体軸に垂直な平面で直径185mmである。ファントム実験の結果、水平方向および体軸方向の空間分解能は1.34-1.72mmが得られ、100-800keVのエネルギーウィンドウにおける感度は11.2%、最高計数率は374kcpsであった。 臨床現場における撮像はO型とC型のいずれかあるいは両者で施行した。はじめに至適条件の決定にむけて、女性患者27人の30病変に対し、1分間x10回のリストモードで撮像した。10分後に描出される病変はいずれも1分後より何らかの集積として描出されていることを確認した。また病変周囲のノイズレペルは4-6分以降でほぼ同程度であることから、診断精度は5分撮像の画像を用いることにした。58人の患者68病変(サイズは2-80mm、全身用PET/CTにおける平均SUVmaxは6.4)を解析対象として描出能を検討したところ、O型装置で撮像された66病変のうち、54病変は腫瘍の全体あるいは一部が描出され、4病変は同定されず、8病変は撮像範囲外となった。C型装置で撮像された67病変のうち、56病変は腫瘍の全体あるいは一部が描出され、6病変は同定されず、5病変は撮像範囲外となった。O型およびC型装置の感度は、すべての病変を対象にするとそれぞれ82%,84%、撮像範囲外の病変を除くとそれぞれ93%,90%であり、物理学的特性から推測されるように、病変が撮像範囲内にあればよりきれいに描出できるO型の描出能がC型を上回ったが、特に胸壁に近い小病変などが撮像範囲外となりやすいことが判明した。
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