研究課題/領域番号 |
22591337
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
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研究分担者 |
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
河井 信行 香川大学, 医学部, 准教授 (40294756)
久冨 信之 香川大学, 医学部, 准教授 (20552045)
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キーワード | PET検査 / F-18 FDG / 分子イメージング / 不均一性 / 脳腫瘍 |
研究概要 |
癌組織は同一の病巣であっても浸潤、転移、血管新生などの腫瘍増殖やアポトーシスの発生頻度など内部の性状は不均一である。これら不均一性は癌の悪性度とも関係があり、これらを体外から観察して画像化・定量化する事は化学療法や放射線治療などの治療計画においても重要である。今回の研究目的は分子イメージングとして注目されているPETを用いて脳腫瘍である神経膠腫の腫瘍内部の不均一性評価を行い、悪性度や治療効果判定、予後予測などの評価が可能か否かを検討することである。汎用性の高いPETの評価方法としては半定量的指標のSUVを用いる方法があるが、これは投与したF-18 FDGなどのアイソトープの何%が組織1グラムに集積したかを体重で補正したものを用いている。この原理はトレーサが人間の体の中や腫瘍内に均一に分布することを前提に算出されている。しかし、上述の如く腫瘍内は血管新生などの影響もあり不均一であり、実際のPET画像でも腫瘍内のF-18 FDG集積が強い場所と乏しい場所の混在した症例が多数経験される。この問題を克服するために新しい評価方法が必要である。具体的には腫瘍体積とF-18 FDG集積程度から、腫瘍内の不均一性を求める報告があり、この方法を参考にして私共が応用開発した解析用プログラムソフトにPETデータを取り込み、腫瘍内部の集積程度の勾配(傾き)を求める。この得られた傾きの数値を不均一性の指標とする。今年度は私共の開発したこの解析プログラムを用いて、F-18 FDG PETでの悪性神経膠腫と中枢神経原発悪性リンパ腫での不均一性評価の比較を行った。その結果、悪性神経膠腫は中枢神経原発悪性リンパ腫と比べ、不均一性が高い傾向を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳腫瘍内部の不均一性の評価のためPETプログラム開発を昨年度に行った。ヒのプログラムを用いて、悪性神経膠腫と中枢神経原発悪性リンパ腫の腫瘍内部の評価を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
脳腫瘍内部の不均一性の評価のためPETプログラム開発を昨年度に行った。しかし、脳腫瘍の患者数は比較的少なく、今後は症例の蓄積を行い、さらなる検討を行う予定である。また、今後はF-18 FDG以外のPETトレーサを用いての評価を予定している。
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