研究概要 |
PHILIPS社のMRIを用いた計測結果では、腓腹筋のfractional anisotropyは0.24±0.029, λ1は1.95±0.036 x10-3mm2/s、λ2は1.47±0.128 x10-3mm2/s、λ3は1.24±0.083 x10-3mm2/sであるのに対し、GENERAL ELECTRIC社のMRIを用いると、fractional anisotropyは0.22±0.2、λ1は2.00±0.04 x10-3mm2/s、λ2は1.46±0.1 x10-3mm2/s、λ3は1.34±0.003 x10-3mm2/sであった。Fractional anisotropyでは約9%、λ1は約2.6%、λ2は約1%、λ3は約8%の差が認められた。腓腹筋の場合はいずれの値も10%以下に抑えられており大まかには両社の装置のデータを比較可能と考えられた。これに対し、PHILIPS社のMRIを用いた前脛骨筋のfractional anisotropyは0.29±0.029, λ1は2.19±0.144 x10-3mm2/s、λ2は1.48±0.095 x10-3mm2/s、λ3は1.27±0.092 x10-3mm2/sであるのに対し、GENERAL ELECTRIC社のMRIを用いると、fractional anisotropyは0.21±0.005、λ1は2.28±0.22 x10-3mm2/s、λ2は1.75±0.08 x10-3mm2/s、λ3は1.5±0.1 x10-3mm2/sであった。Fractional anisotropyでは約28%、λ1は約4%、λ2は約18%、λ3は約18%の差が認められた。装置によりΔやδに差があるのでλの値に差が生じることは予想されるが、fractional anisotropy値がこれほど異なることの説明は難しい。一般に前脛骨筋の方が筋線維の方向性が揃っており、データの信頼性が高いと考えられるので今回の結果からは、装置が異なる場合DTIに関連するパラメータの値そのものを直接比較することは難しいと言わざるを得ない。各社のMRI装置のpulse sequenceを一定にすることは特許等の問題が絡み現実的ではないので、何らかの構造をreferenceとすることが必要と考えられる。
|