研究概要 |
対象とする片側の内頸動脈あるいは中大脳動脈に狭窄性病変を有する患者20例に対し、^<15>O gas PET, MEGおよび高次脳機能検査を施行した。MEGでえられた自発脳磁を4周波数帯域(0.3-2Hz, 2-4Hz, 4-6Hz, 6-8Hz)に分離し、sLORETA-qm(standardized low resolution brain electromagnetic tomography for a quantifiable method)を用いて各周波数帯域での信号源の電流強度を算出し画像化した。PETは^<15>O-ガス吸入法(steady-state法)で施行し、CBF(局所脳血流)、OEF(酸素摂取率)を算出した。 MEG、PET画像をSPM(Statistical Parametric Mapping)を用いて同一座標(標準脳座標系)に変換し、自動的に主要脳血管支配域に関心領域(ROI)を設定する手法を考案した。各関心領域について、MEG画像での電流強度とPET画像での脳循環代謝量を比較した。本年度までにえられた結果では、MEGでえられる虚血に起因する磁場の分布および電流強度はPETでえられる脳血流低下域には完全には一致していない。 sLORETA-qmに自動ROI設定法を適用することで、主要脳血管関心領域での脳神経磁気活動の、恣意性を排除した定量画像化が可能になった。また、標準脳座標を用いた画像化は他の検査法との比較に適しており、虚血がもたらす脳神経活動の評価を容易にすると考えられた。 本年度にえられた成果はpreliminary studyとして国内学会において発表した。
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