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2011 年度 実績報告書

特発性正常圧水頭症における白質障害:拡散テンソル、QSIを用いたMRI拡散解析

研究課題

研究課題/領域番号 22591352
研究機関順天堂大学

研究代表者

青木 茂樹  順天堂大学, 医学部, 教授 (80222470)

キーワード正常圧水頭症 / MRI / DTI / 拡散テンソル / Q space imaging (QSI) / Diffusional Kurtosis / DKI / diffusion
研究概要

MRIを用いて拡散の非正規分布的解析を行うQ Space imaging(QSI)やdiffusion kurtosis imaging(DKI)は、脳白質の微細構造の変化を拡散テンソルなどの従来の方法よりさらに詳細に知ることができる新たなMRIの撮像法である。我々は昨年ヒト用3T MRIを用いて、QSIでは高いb値(15000s/mm^2)までの6軸、DKIでは多軸(20-32軸)のb値2500s/mm^2までとした2種類の撮像・解析法を開発した。東京大学放射線科増谷佳孝に依頼して開発したdTV-FZRでは従来の拡散テンソルとしての解析に加え、QSI,DKIの解析が可能である。
今年度はさらに、QSI,DKIのデータに対しても拡散テンソル解析を行い、主軸方向のKurtosisなどを算出可能とした。
倫理委員会の承諾を得て、今までに15例のNPH患者と7例のボランティアに関してQSI/DKIの撮像を行った。
従来の拡散テンソル解析では、側脳室近傍の皮質脊髄路のFA値は上昇する。通常の組織ではFA値とDKは比較的よい正の相関を示すが、NPHの側脳室近傍の皮質脊髄路においては、DKの低下がみられた。DKは複雑さの示標とされるため、FAの上昇と合わせて白質線維の圧迫や伸展による白質線維のcompactionやalignmentの均一化を反映していると考えられた。
今後はLP shuntを行った患者に関して、術前後の変化を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

NPH患者でのDKIの変化について有意差を見いだし、白質微細構造の変化についてのQSI/DKIによる新たな知見が得られてきている。

今後の研究の推進方策

得られた、皮質脊髄路のFA上昇するもKurtosis減少という微細構造変化(白質が整列した)という結果の公表(国際学会ISMRMにすでにaccept)と論文化(平成23年度中に投稿予定)を行う。
シャント術前後の変化について、患者数を増やしつつ検討を加える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Outcomes of diffusion tensor tractography-integrated stereotactic radiosurgery2012

    • 著者名/発表者名
      Koga T, et al
    • 雑誌名

      Int J Radiat Oncol Biol Phys

      巻: 82(2) ページ: 799-802

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Altered Microstructure in Corticospinal Tract in Idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus : Comparison with Alzheimer Disease and Parkinson Disease with Dementia2011

    • 著者名/発表者名
      Hattori T, Yuasa T, Aoki S., Mizusawa H.
    • 雑誌名

      AJNR

      巻: 32 ページ: 1681-1687

    • 査読あり
  • [雑誌論文] MRI拡散テンソル画像:最近の進歩2011

    • 著者名/発表者名
      青木茂樹、福永一星、堀正明
    • 雑誌名

      脳神経外科

      巻: 392 ページ: 935-946

    • 査読あり
  • [学会発表] NPHのQSI/DKI2011

    • 著者名/発表者名
      福永一星、堀正明、青木茂樹
    • 学会等名
      日本磁気共鳴医学会
    • 発表場所
      小倉
    • 年月日
      2011-09-30
  • [学会発表] Diffusional kurtosis imaging:至適パラメータの検討2011

    • 著者名/発表者名
      福永一星、堀正明、青木茂樹
    • 学会等名
      日本磁気共鳴医学会
    • 発表場所
      日本磁気共鳴医学会
    • 年月日
      2011-09-30
  • [学会発表] Q space imaging:至適パラメータの検討2011

    • 著者名/発表者名
      濱崎望、堀正明、福永一星、青木茂樹
    • 学会等名
      日本磁気共鳴医学会
    • 発表場所
      日本磁気共鳴医学会
    • 年月日
      2011-09-30

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公開日: 2013-06-26  

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