研究課題
X線暗視野法X線光学系と3次元像および2.5次元像(トモシンセシス)用アルゴリズムの開発はそれぞれ病理診断と臨床診断を目指したものである。この中で臨床診断を目指す開発は臨床現場の医師と医療従事者にとって患者の患部を最良の状態でX線写真に撮影するためには医療機器、この場合はX線暗視野法用機器を最良の状態に整備する必要がある。かつ患部を撮影するにあたって現在のシステムと同じように事前にファントムを用いて機器状態を最善にもって行くことが求められる。そのためのファントムは従来のX線吸収原理にもとづくファントムではなく、屈折原理にもとづくファントムを開発する必要がある。現在世界にはこの種のファントムは存在しない。そこで軟組織描画能に優れた屈折原理にもとづくファントムの試作に入ることにした。吸収原理による画像が識別できるためには電子濃度は数十%差が必要である。一方、屈折率によって2つの組纎が識別できるための電子濃度差はたかだか数%と考えられる。おそらく1%以下でも識別できると思われる。このことを具現化するために京都科学と実際の設計に入った。形状は印鑑に似た棒状ファントム中にまわりと異なる電子濃度をもつ細いファントムを3本入れたファントムを試作した。これをX線暗視野光学系により撮影したところ一定のコントラストが得られた。現在はデータ整理中である。濃度差をより小さくする展望が開かれたといえる。論文化を考えている。
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