造骨性骨転移患者の除痛目的で認可・導入されている放射線ストロンチウム内部照射療法の副作用としてリンパ球の一過性減少は問題視されているが、リンパ球自体に直接どの程度の放射性組織障害性があるか解明されていない。よってDNA損傷部位に集積する蛋白質を用いた、放射性ストロンチウム治療後放射線組織障害の検討を行い、直接的なリンパ球への照射量の推定を得られると考えられた。 実験方法として前年度に引き続きストロンチウム投与患者3名に対し投与前後で採血を行い、リンパ球を分離した。次に特殊スライドグラス上に固定したリンパ球に、γ-H2AXとその抗体で細胞の免疫染色を行い、DNA損傷部位が核内の点として染色されていることを確認、蛍光顕微鏡にてDNA損傷の個数を測定した。初年度で求めた外照射より得た標準線から推定放射線線量を測定した。現段階では症例数は少ないがリンパ球に対する 放射性組織障害の基本的評価法として、γ-H2AXを用いた新しい評価方法が確立できたと考えられる。
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