研究課題/領域番号 |
22591356
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
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研究分担者 |
田中 忠蔵 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 名誉教授 (80163541)
樋口 敏宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80218700)
渡邉 康晴 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (90454537)
河合 裕子 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (90555616)
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キーワード | visography / 心筋機能 / DWI / MRI / 循環器 / viscosity |
研究概要 |
本研究は、拡散強調MRI(DWI)を用いて心拍動に伴う心筋の粘弾性を評価するためのMR Viscographyを確立し、これを用いて心筋機能を評価することを目的として研究を進める。組織のADCは組織内の水の拡散、毛細血管などの灌流を反映している。さらに、組織変形時のADCは安静時と比較して著しく増加することが観測されている。これは組織内の水移動がADCに反映すると考えられ、この水移動は組織の粘弾性に関係すると推測される。以前より心筋のDWIは心拍動に伴い著しく低下することが知られている。本研究では、平成22年度に計測したマウスの心臓拡張末期におけるADCの変化を元に、本手法をヒトに応用することとした。呼吸停止(息止め)の条件下にて心拍同期を行い、収縮末期および拡張末期にDWIを取得した。この時、40ms毎に位相変えて計測した。この結果、ヒト心筋でADCの変化が確認された。また撮像シーケンスのうち、これまで動きの影響が大きいとされたbipoloer gradient法と動きの影響が少ないとされたmonopoloer gradient法を比較したところ、両者に大きな違いは認められなかった。このことから心筋の最大拡張期周辺および最大収縮期周辺における心筋のlow b値でのADC変化は動きによるものでないことが確認された。また、概ねマウスと同様に1x10^<-3>mm^2/sから10x10^<-3>mm^2/sの速度で変化することが確認された。心筋の心拍動に伴うADC変化は、骨格筋に電気刺激を与えて収縮時に得たADC変化より小さかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験においては心筋モデル作成ができておらず遅れているが、臨床応用という点でシーケンスの開発が進み、動きによる画像アーチファクトの可能性を否定することができたことで、信号変化機序が予想と一致していることが確認できた。また、ヒト心筋でviscosityに関連した画像変化を捉えられ、心臓前壁と後壁でその動きの違いを描出することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は動物モデルによる計測を追加することに加え、ヒトを対象としたデータ解析を進める。本研究では心筋の収縮タイミングによってvicographyが大きく異なることから、心筋の状態を正確に評価するためのタイミングを決める事が必要である。さらに解析例を重ねて最も評価に適する位相を定め、臨床応用の視点から心筋疾患に対して応用できるように精度を向上させる。
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