研究概要 |
放射線誘発アポトーシスを特異的に評価する検査法として^<99m>TC-HYNIC-coupled Annexin V (TAV)の有用性について検討した.方法;使用した細胞は非小細胞性肺癌細胞H1299のwtp53 gene (H1299/wtp53)を用いた.0Gy,3Gy,6Gy,9Gy,12Gyの5段階のガンマ線を照射し,24,48時間後の細胞内集積をウェルカンターにて測定した.対比評価法として腫瘍集積性放射性薬品として臨床利用されている^<201>TlCl集積も同様に測定した.実験細胞における反応早期の細胞内動態を評価する目的で90分間の細胞取り込みと洗い出しを測定した.アポトーシス細胞の評価にはTUNEL法を用いた.放射線照射の細胞分裂機能への影響を評価する目的で細胞増殖率も同時に評価した.結果;48時間後に細胞増殖率は低下した.アポトーシス細胞数は9Gy,12Gy照射群はコントロール,3-6Gy群に比較して増加していた.24時間後ではTAV集積は,1-90分後のいずれにおいても照射線量との関連がなかったのに対し,48時間後9Gy,12Gy照射群ではコントロール,3-6Gy群に比較して増加していた.TAVの洗い出しは線量とは関連がなかった.^<201>TlCl集積は9Gy,12Gy照射群ではコントロール,3-6Gy群に比較して増加していた.^<201>TlClでは細胞内からの速やかな洗い出しが認められた.結論;TAVは癌細胞の放射線治療によるアポトーシスの早期検出に有用であることが示唆された
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