研究概要 |
使用機器:1.5T MR臨床機(Philips Intera Achieva、Nova Dual) T2*補正水脂肪分離画像ためのシークエンス;mDIXON法 (3DFFE、TR/TE/FA = 15ms/1.23ms/5°, ⊿TE = 1.5ms, 6 echos, 128 matrix) 昨年開発したmDIXON法を臨床応用した。肝脂肪比率のStandard-of-referenceとしてはT2補正multiecho MRSpectroscopy (meMRS:single voxel, STEAM法、2x2x2cm3, 512 samples,TR/TE/FA=5000/15/90, echo space 10ms, NSA1, 20s息止め下)を用いた。 17名の慢性肝疾患患者において、EOB造影MRI造影前にmDIXON法とmeMRSを施行できた。この患者群において、mDIXON法の解析をsingle peak (SP)法 vs multi-peak (MP)法、conventional(conv.)法 vs low fat accuracy (LFA)法で比較した。相関係数、回帰系数、y切片を指標として比較した結果、SP法よりはMP法の方がいずれの指標においても優れる結果であったが、conv.法とLFA法の比較では、相関係数はconv.法が、回帰系数とy切片ではLFA法が優れていた。 昨年度のマヨネーズを用いたphantom実験ではMP法の優位性を示すことができなかったが、今回患者群で明らかに優位であったのはMPの設定がより人体の肝における脂質構成に合致している事を示唆する、と考えられる。一方、LFA法について今回の患者群においてLFA法の有意性が示せなかったのは1.5T機の限界(低信号領域でのノイズとの誤認)、症例数の少なさ、に起因する可能性がある。
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