これまでFDGPETによるリウマチなど関節炎の診断を報告してきたが、正常加齢変化の範囲と疾患の違いが不明確であった。目的:健常者における関節・腱付着部のFDG集積が加齢によりどの程度変化するかを調べ、疾患との違いを明らかにすること。方法:症状がなく病的所見がないと診断された30歳台、50歳台、70歳台の人間ドックや脳研究などのボランティアのFDGPET画像の関節・腱付着部のSUVを測定し、年齢による変化を調べた。結果:胸鎖関節や、頸椎、胸椎の椎間関節、仙腸関節の加齢変化は乏しかった。肩甲下極や腸骨陵の腱付着部にも正常者では所見がなかった。肩関節周囲、股関節周囲、大転子、坐骨結節、腰椎椎間関節は高齢者で集積が高くなる傾向が明らかであった。結論:関節疾患のPET所見の評価には正常加齢所見を理解する必要がある。 今後、正常データを充実し、疾患の診断基準作成につなげたい。
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