血清陰性関節炎(強直性脊椎炎SpA)とリウマチ性多発筋痛症(PMR)、リウマチ性関節炎(RA)のFDGPET/CT所見を比較し、特徴的な所見は何か、画像が鑑別に役立つかどうかを評価した。 2006-2011年に当院に入院した患者、SpA21人、PMR16人、RA16人計53人について評価した。坐骨結節、大転子、棘突起、椎体、および仙腸関節へのFDG集積をSUVmaxおよび集積スコアを用いて評価した。 坐骨結節へのFDG集積(SUVmax)は、PMRが、SpAおよびRAよりも有意に高かった。大転子および棘突起へのFDG集積(SUVmax)も、PMRが、RAよりも有意に高かった。仙腸関節へのFDG集積(SUVmax)は、SpAが、PMRあるいはRAよりも有意に高かった。椎体の集積は各グループ間で有意差がなかった。FDG集積スコアも同様の結果だった。仙腸関節炎では、20%(3/15)の患者さんにFDGPET/CT所見と一致するX線所見がみられた。しかしMRIでは57%(4/7)の患者さんにPET/CTと一致する所見が見られた。 FDGPET/CTは、坐骨結節・大転子・棘突起の炎症を検出してPMRとRAを鑑別することができる。しかしSpAとPMRを区別することはできない。FDGPET/CT所見は、SpAとRA、およびPMRを区別することができ、仙腸関節炎の早期診断に有用である。
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