研究課題
分子イメージングに大きく貢献すると期待されるラクトソームの効率的^<18>F標識合成法確立を検討した。まず^<18>F標識内包物の合成を検討した。PLLA-OTfへK_<222>/K^<18>Fを標識試薬とする^<18>F導入反応については、PLLAの加水分解が速やかに進行し、微量合成では反応が極めて困難であることを明らかにした。H_2N-PLLAへの^<18>F-SFBを用いた^<18>F-benzoyl(Bz)基の導入については、反応溶媒にアセトニトリルとDMSOの混液を用い100℃で10分間加熱反応して、放射化学的収率37%で得られる効率的反応条件を見出し、500MBq以上の十分な^<18>F-BzPLLAを得ることができた。次に標識ラクトソームの粒子化を検討した。得られた^<18>F-BzPLLAをフィルム状の両親媒性ポリマー(ポリL-乳酸-ポリサルコシン)とともに、水または生理食塩水中で約50℃で15分以上42kHzの超音波を照射して自己集合させ、420MBq以上の^<18>F標識ラクトソームを得る方法を確立した。9mgのフィルムポリマーに対して^<18>F-BzPLLAを含む1.6mgのH_2N-PLLAを用いることで、30~35nmのラクトソーム粒子が得られることを確認した。ゲルろ過カラムクロマトグラフィーを用いた分析により、用いた^<18>F-BzPLLAの99%以上がラクトソームに組み込まれることを確認した。^<18>F標識ラクトソームについて、Hela細胞移植マウスにおける生体内分布を検討した。投与後10分~6時間において高い血中安定性を示し、腫瘍への放射能集積は徐々に増加した。腫瘍筋肉比は投与後6時間で2.5を示し、腫瘍イメージングが可能であることが示唆された。脱フッ素代謝は低かった。標識ラクトソームの高比放射能化や、炎症モデル動物を用いた評価、生体内の化学形探索、画像化については今後検討する計画である。
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