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2010 年度 実績報告書

肺アスペルギローマに対するラジオ波治療

研究課題

研究課題/領域番号 22591370
研究機関岡山大学

研究代表者

平木 隆夫  岡山大学, 病院, 助教 (50423322)

研究分担者 郷原 英夫  岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (10379745)
三村 秀文  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10304362)
金澤 右  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20243511)
加藤 勝也  岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (80379742)
豊岡 伸一  岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (30397880)
キーワード真菌症 / 肺アスペルギローマ / ラジオ波治療
研究概要

平成22年度は、アスペルギローマに対して第1例目のラジオ波治療を行った。症例は79歳女性で、CTにて右肺下葉にアスペルギローマに典型的な像を認めた。β-Dグルカンは正常範囲内で血清アスペルギルス抗原やアスペルギルス抗体、喀痰培養はすべて陰性であった。そのため、まずはCT透視下に肺生検を行い、アスペルギローマであることを組織学的に確認した。アスペルギローマに伴うと思われる症状はなかったが、画像上進行性であったため、治療適応と思われた。手術は困難な症例で、抗真菌剤の内服も拒否されたため、ラジオ波治療を行うことにした。ラジオ波治療はCT透視下に2cmの非絶縁部長を持つCool-tip針を用い行った。患者をうつ伏せにし、CT透視画像を観察しながら、病変へ針を進めた。病変に針を刺入する際、菌塊が柔らかく可動性であるため、やや困難を伴ったが、無事刺入可能であった。針をラジオ波発生装置に接続し、電圧20Wで焼灼を開始した。1分間に5Wずつ電圧を上昇させ、最高電圧73Wで12分間の焼灼を行った。焼灼後の針先端の温度は79℃であった。真菌は熱に弱く数分間の60℃の加熱で死滅するとされており、治療効果が期待できるものと思われた。なお、治療に伴う合併症はみられなかった。治療5日後のCTにて病変は焼灼域に囲まれており、良好な結果と思われた。その後定期的に経過観察を行っているが、病変は確実に縮小してきている。また、治療後3ヶ月後に治療の効果判定のため肺生検を再度行い、挫滅していると思われる菌糸が確認された。3ヶ月後の検査にてβ-Dグルカンは正常範囲内、血清アスペルギルス抗原やアスペルギルス抗体、喀痰培養は全て陰性であった。治療に伴う症状の出現はみられていない。今後もプロトコルに則り定期的に経過観察を行う予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Incidence of and risk factors for pneumothorax and chest tube placement after CT fluoroscopy-guided percutaneous lung biopsy : retrospective analysis of the procedures conducted over a 9-year period.2010

    • 著者名/発表者名
      Hiraki T
    • 雑誌名

      AJR Am J Roentgenol

      巻: 194号 ページ: 809-814

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Brachial nerve injury caused by percutaneous radiofrequency ablation of apical lung cancer : a report of four cases.2010

    • 著者名/発表者名
      Hiraki T
    • 雑誌名

      J Vasc Interv Radiol

      巻: 21号 ページ: 1129-1133

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pneumopericardium as a complication of CT-guided lung biopsy.2010

    • 著者名/発表者名
      Hiraki T
    • 雑誌名

      J Vasc Interv Radiol

      巻: 21号 ページ: 1136-1138

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 経皮的肺生検IVR看護ナビゲーション2010

    • 著者名/発表者名
      平木隆夫
    • 雑誌名

      IVR各論

      ページ: 71-72

    • 査読あり
  • [学会発表] 肝細胞癌肺転移に対するラジオ波焼灼療法:多施設共同研究の結果2010

    • 著者名/発表者名
      平木隆夫
    • 学会等名
      第39回 日本IVR学会総会
    • 発表場所
      東京都台東区
    • 年月日
      20100520-20100522
  • [学会発表] 肺癌に対するラジオ波焼灼療法2010

    • 著者名/発表者名
      平木隆夫
    • 学会等名
      第39回 日本IVR学会総会
    • 発表場所
      東京都台東区
    • 年月日
      20100520-20100522
  • [学会発表] 多施設調査の結果速報2010

    • 著者名/発表者名
      平木隆夫
    • 学会等名
      第11回 RFA談話会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      2010-09-04
  • [備考]

    • URL

      http://www.ok-radiology.jp/rinsyo/11290564271/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19   更新日: 2014-09-19  

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