研究課題/領域番号 |
22591371
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
田嶋 強 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (50346798)
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研究分担者 |
西江 昭弘 九州大学, 大学病院, 講師 (20457427)
浅山 良樹 九州大学, 医学(系)・研究科(医学院), 助教 (40380414)
石神 康生 九州大学, 大学病院, 助教 (10403916)
柿原 大輔 九州大学, 大学病院, 助教 (80529818)
中山 智博 九州大学, 大学病院, 医員 (70419571)
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キーワード | 動注療法化学塞栓療法 / 予後因子 / 融合画像 / CT / IVR |
研究概要 |
平成22年度は研究初年度であり、臨床検査による短期的臨床データの収集、融合画像の作成、データの解析等を行った。2008年~2009年の約20ヶ月間にIVR-CTガイド下TACE検査を施行され、その後の経過観察で肝細胞癌再発の有無について検証できた53症例について解析した。 まず、LipiodolCT、動注CT(CTHA)を基にした3次元CT融合画像(MPR像)を作成することに成功。つづいて三次元CTを用いて治療安全域を計測し得た。これによりフォローアップCTにおける肝内再発の有無と対比した。その結果、肝内再発は55%に認められ、安全域を3mmに設定した場合、安全域を満たす群では有意に再発が少なかった(p=0.0136)。さらに、Lipiodol完全集積群で検討したところ、無再発群では22%のみが安全域不足(3mm未満)であったのに対して、再発群の63%が安全域不足であった(P=0.1341)。しかしながら多変量解析では安全域は有意因子とはならなかった。これらの初期成績について国際学会にて報告し、関連分野の研究者から活発な質問を受けた。さらに、その概要が断層画像専門誌であるJournal of Computer Assisted Tomography誌に掲載された。 今後の展開としては、中長期的臨床データ(再発の有無、部位)についての情報収集を進めつつ、三次元CT融合画像作成法の適正化についての工夫をワークステーションを用いて行うことで、さらに安定した三次元融合画像作成技術の錬成が期待できる。また、生物学的因子を含めたパラメータをさらに増加させながら治療後予後関連因子の解析をすすめて行く予定である。
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