研究課題
ヒトゲノムの検索によればチャンネル・トランスポーター遺伝子は、数百あるといわれ、神経疾患やがんをはじめとする種々の疾患との関連性が指摘されているものも多い。近年、チャンネル・トランスポーターのポリクリロナル抗体やモノクロナル抗体が多く開発されてきており、診断・治療に応用できる放射性標識抗体の開発が期待される。我々は、血液脳関門や胎盤関門に関与する種々の細胞や、多くの腫瘍細胞に発現するとされるアミノ酸トランスポーターのモノクロナル抗体をインビボ画像診断薬に用いる標識抗体として利用することを最終目的として、放射性標識抗体を基礎的に開発することを計画した。本年度は、標識抗体について検討した。ヒト由来株化がん細胞DLD-1およびAsPC-1とも蛋白レベルの発現を培養細胞として確認したうえで、更に、放射性標識抗体の評価実験系として、これらDLD-1やAsPC-1を移植した担癌マウスでの蛋白レベルの発現を確認し、腫瘍組織への集積性を免疫組織化学的な解析に有用であることが確かめられているモノクロナル抗体を125I標識した放射性抗体とし評価した。用いたモノクロナル抗体は、ヒトのLAT1 タンパク質のN末端近傍領域に特異的結合をする抗体であったためか、腫瘍組織切片で内在性レベルのLAT1 タンパク質を検出が可能であったが、インビボでの腫瘍検出に適さなかった。今後、LAT1と結合したヘテロ 2 量体としてもう一方のタンパク質のCD98 (4F2)に対する抗体でのインビボイメージングを検討したい。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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