研究課題/領域番号 |
22591374
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中塚 誠之 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50188984)
|
研究分担者 |
井上 政則 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30338157)
小黒 草太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50383716)
川村 雅文 帝京大学, 医学部, 教授 (70169770)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 凍結治療 / 癌 |
研究概要 |
1年目、2年目の実験で、凍結端子を用いて、豚肝、腎、軟部組織の凍結治療中の周囲の温度分布を計測し、-20℃、-30℃、-40℃などの一定温度点が凍結(氷)表面と一定の比率(a)の位置に存在すること、つまり、腫瘍の大きさの「aの逆数」倍の大きさの氷を作成すれば腫瘍表面を含め腫瘍全体が目標温度となることが推察された。このことから画像観察により凍結終了のタイミングが決定できることができることがわかった。 一方、上記の新知見は、正常肝実質、腎実質での計測結果であるため、凍結表面と、致死温度点(-20℃、-30℃、-40℃など)との距離を知る必要があると考え、今年度は論文化に向けて計測データを追加し、異なった視点でデータ解析を行った。 凍結半径の平均値は、第2凍結終了時で、肝臓、腎臓でそれぞれ12.8mm、12.3mmと以前行っていた肺の凍結半径の平均値(11.4mm)より大きかった。一方、-20℃の半径の平均値はそれぞれ8.8mm、9.2㎜(肺:8.9mm)、-30℃はそれぞれ7.3mm、7.8㎜(肺:7.8mm)、-40℃はそれぞれ6.1mm、6.6m㎜(肺:6.6mm)であった。このことから肝臓は腎臓(および肺)より凍結半径が大きくなるものの、凍結表面からの致死温度半径までの距離は肝臓では多臓器より大きくなることが判明した。つまり、肝臓の凍結治療を行う際には、腫瘍表面から凍結表面までの距離を多くとる必要があると考えられた。 このように凍結治療において肝臓が他の臓器と異なる性質を持つことが、肝血流の二重支配(肝動脈、門脈)に起因すると推察されたので、肝臓の凍結終了時の肝の動脈、門脈血流の開存性を墨汁注入により病理標本から検索することとした。その結果、凍結終了時に肝臓の凍結治療域辺縁では多臓器と同様に末梢動脈が開存しているのに対し、門脈が閉塞していることが疑われている。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|