研究課題/領域番号 |
22591388
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
村上 龍次 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (90295147)
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キーワード | 放射線治療 / 放射線治療計画 / 画像誘導放射線治療 / 適応放射線治療 / 画像融合 / 腫瘍体積 / コーンビームCT / 線量分布 |
研究概要 |
病巣に線量を集中させる高精度放射線治療の普及に伴って、腫瘍体積の正確な評価および毎回の照射における厳密な位置合わせが重要になってきた。腫瘍体積評価における機能画像および融合画像の有用性が報告されているが、観察者による評価の差異は解消しておらず、観察者間だけでなく観察者内の変動も考慮する必要がある。また、最新の放射線治療装置は、一体型画像撮像装置を有し、治療計画画像との三次元的画像照合によって毎回の厳密な位置合わせが期待でき、画像誘導放射線治療として注目されている。 位置照合用撮像装置のひとつとして、コーンビームCTが利用されているが、照射期間中には、腫瘍の縮小や正常組織の変化が位置合わせを難しくしている。これらの問題点を解決するために、腫瘍体積評価の統合と照射毎の体位や臓器の変化に対応した適応放射線治療を考案した。 画像融合技術を応用して、診断画像上に予め描出した予備的輪郭描出を治療計画用CTに転写する可能性を検討した。システムの誤差が許容範囲内と判断できれば、放射線治療の適応を検討する診断時に腫瘍体積の観察者間での比較や統合が可能となる。さらに、コーンビームCTの画像データを用いた線量計算の可能性を検討した。今後、腫瘍体積評価のダブルチェックを目指した予備的輪郭描出および位置照合用コーンビームCTによる線量計算の可能性をさらに評価検討する予定である。これらを組み合わせることによって、照射範囲の決定および線量分布計算などの治療計画から実際の照射に至る連続的・効率的な適応放射線治療の実現を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
診断画像上の予備的輪郭描出を治療計画用CTに転写可能であることを確認した。 さらに、位置照合用コーンビームCTによる線量計算の可能性に関する検討結果を論文発表した。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍体積評価のダブルチェックを目指した予備的輪郭描出および位置照合用コーンビームCTによる線量計算の可能性をさらに評価検討する予定である。これらを組み合わせることによって、照射範囲の決定および線量分布計算などの治療計画から実際の照射に至る連続的・効率的な適応放射線治療の実現を目指す。
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