研究分担者 |
大島 孝一 久留米大学, 医学部, 教授 (50203766)
末藤 大明 久留米大学, 医学部, 助教 (00320200)
淡河 恵津世 久留米大学, 大学病院, 准教授 (20204729)
鈴木 弦 久留米大学, 大学病院, 講師 (80279182)
芝本 雄太 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20144719)
|
研究概要 |
平成22年度は,マルトリンパ腫初発例の末梢血を治療前後で採取し,表面マーカー解析を行い,CD20・CXCR3陽性細胞割合を評価するための症例蓄積を主に行った。残りの検体は凍結保存することとした。また,生検標本に対して,免疫染色を含めた予備実験を適宜行った。胃に発生したマルトリンパ腫症例では除菌前後でのCD20・CXCR3陽性細胞をみる予定としていたが,放射線治療に紹介になる時点で,既に除菌療法が行われていたり,除菌不応例などが紹介されたりと統一性が困難と判断し,発生部位を問わずに放射線治療前後での末梢血液中CD20・CXCR3陽性の推移をみていくこととした。昨年度は多くの症例蓄積を期待していたが,新患数が予想よりも少なく,今後の研究が予定通り遂行できるかが危惧される。 放射線治療が如何に安全かつ良好な治療成績をえることを示すことができれば,多くのマルトリンパ腫症例が放射線治療に紹介されると判断し,胃悪性リンパ腫における放射線治療の長期予後を検討する研究を行った。2010年4月に横浜で開催された日本医学放射線学会総会に於いて「胃悪性リンパ腫放射線治療の長期観察結果」の演題名で口演発表を行い,胃MALTリンパ腫に対する長期予後について報告した。今回の研究で予想しているように,5年後の全身再燃率は13%程度であるが,10年と長期でみると約27%と非常に効率であることを示した。本研究の継続が必要な状況であることを改めて示す結果であった。
|