研究課題
胃初発MALTリンパ腫は生存率は高いが再燃の多い疾患であることから、再燃を押さえる新しい治療体制の構築を目指した。MALTリンパ腫の再燃に深い関係を有することを我々がすでに明らかにした血液中のCD20/CXCR3 陽性Bリンパ球をタ-ゲットとした。未治療のMALTリンパ腫18例(年齢22歳から77歳、平均64.9歳)について、放射線治療前後に血液中のこのリンパ球の測定を試みた。その結果、治療前に比べて放射線治療後の測定結果で、その減少数が50%以上の8例では再燃はなかったが、50%以下であった9例のうち2例で再燃が見られた。このことから、MALTリンパ腫の血液中のこのBリンパ球を押さえることができれば、再燃を減らすことが可能ではないかと考えた。念のため、正常人の値を計測することにした。ボランティア10名(年齢28歳から48歳、平均38.5歳)の血液中のこのリンパ球を測定したところ、細胞数、細胞の割合とも放射線治療前のMALTリンパ腫患者のそれを上回るという意外な結果になった。対象患者の年齢の違いなど、考慮すべき点はあるにしても、残念ながらこのままではCD20/CXCR3 陽性Bリンパ球をMALTリンパ腫の治療へ応用することは難しいと判断せざるを得なかった。なお、非MALTリンパ腫(その多くはびまん性大細胞型のB細胞リンパ腫)ではリツキシマブを併用したCHOP療法後に放射線治療を行い、優れた成績が得られている。しかしながら、放射線治療後に胃粘膜障害が出現することがあり、その頻度(20%程度)や時期(12ヶ月から24ヶ月の間)、さらには治療法についてもまとめ、報告した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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