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2011 年度 実績報告書

急性期の障害肝細胞における肝細胞死・再生の指標となる血漿メチオニン値に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22591397
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 和重  東北大学, 病院, 助教 (40375043)

研究分担者 里見 進  東北大学, 病院, 教授 (00154120)
武田 郁央  東北大学, 病院, 助教 (90420033)
キーワードメチオニン / 急性肝不全 / 肝細胞 / 肝再生
研究概要

劇症肝炎と診断され紹介された症例の内科的治療前後の血漿アミノグラムを検討した結果、メチオニン値が残存肝細胞の再生指標のひとつとなる可能性が示唆された。これらの臨床結果を動物実験モデルで確証するために、急性肝不全に至る急性型肝障害モデルラットを用いて、血漿メチオニン値が(i)肝細胞障害程度と相関し、(ii)末期肝不全状態の残存肝細胞の再生の指標となる可能性を検討した。平成23年3月の大震災のため、動物実験施設は約5ヶ月、共同実験施設およびクロマトグラフィー装置が約8ヶ月にわたり使用できなくなった。平成23年10月より実験を再開し以下の知見を得た。アセトアミノフェン単剤投与では一部のラットでは肝不全に至る前に呼吸不全により死亡することが判明した。その結果、ガラクトサミン(Gal;0.89/kg)を腹腔内に投与し肝不全モデルを作成した。Galを投与後、低血糖を予防するために20%Gluoseを4mL皮下注射し観察を行なった。24時間以内に50%のラットが死亡、36時間以内には70%のラットが死亡した。病理組織像はZone1を中心とした肝細胞の壊死が確認された。血漿メチオニン値は24時間以内に肝不全による死亡したラットでは1021±112μmol/l、36時間以内に死亡した症例では441±132μmol/lであった。36時間以降生存したラットを72時間後に剖検した。生存症例では病理学的には肝細胞の再生所見をみとめ血漿メチオニン値は72±33μmol/lであった。現在、肝組織の免疫染色を行い、肝細胞数の定量化を行なっている。震災の影響により当初の予定の30%の実験を遂行できなかった。肝不全モデルラット作成を確立することができた。このモデルを用いて血漿メチオニン値を測定した結果、非代償性肝不全に至るラットでは有意に高値を示すことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

大震災の影響により、動物実験施設の使用が制限された。測定機械の破損により代替の機械の導入に時間を要した。

今後の研究の推進方策

経時的に採血および低血糖を予防するために、中心静脈カテーテルをラット頚部より挿入留置し実験をおこなう予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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