研究課題/領域番号 |
22591402
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
井原 努 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60467313)
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研究分担者 |
古森 公浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40225587)
山本 清人 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10298359)
小林 昌義 藤田保健衛生大学病院, 准教授 (60329381)
坂野 比呂志 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80584721)
森前 博文 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80528737)
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キーワード | ステントグラフト / 腹部大動脈瘤 / 胸部大動脈瘤 |
研究概要 |
前年度までの内容及び今年度の目的 腹部大動脈瘤の形態評価の見直しのため3Dワークステーションでの大動脈瘤径評価を検討し、現在Annals of vascular surgery誌に論文を投稿、査読の段階である。さらにステントグラフト治療を踏まえたうえでの有益な形態分類及び経時的な形態変化の評価を考える上で、ステントグラフトの安定性に関与する要素の検討を行うため、まず腹部ステントグラフトの固定性の評価を行った。ステントグラフトの固定は中枢では腎動脈下腹部大動脈瘤、末梢は主に両総腸骨動脈にステント拡張力で固定される。海外・国内でも中枢固定部に関する拡張の報告は多数あるが、末梢に関する報告は皆無である。そのため今回ゼニスエンドバスキュラーグラフト(以下ゼニス)とゴアエクスクルーダー(以下エクスクルーダー)の二つのデバイスについて、末梢固定部の径の経時的変化を検討し、それぞれの特性および予後への影響、安定性への評価を考察した。 【対象と方法】過去2年間に施行したEVAR症例130例のうち2年間の経時的変化が追跡できた49例(ゼニス33例,エクスクルーダー16例)を対象とした。術直後・6カ月後・2年後で末梢固定部の最大短径を1mmスライスのAxialCTで測定し、その測定値をデバイス径と比較した。 【結果】6カ月後・2年後の末梢固定部の径の変化はゼニスでは6カ月後は右 1.36mm 左0.99mm、2年後は右 2.05mm 左 1.69mmであった。エクスクルーダーでは6カ月後は右-0.80mm 左-0.59mm、2年後は右-0.21mm 左-0.1mmであった。拡張度とそこから固定部にかかる圧力の考察から経時的にどのデバイスでも固定部の圧着力の低下が示唆された。 【今後の方向性】次に各デバイスでのステントグラフトの中枢・末梢の移動と今回の結果を総合し、中枢の報告を踏まえ形態変化の予測因子として検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
形態変化に関する考察に関して順調に進んでいると考えるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方向性として上記の結果と、次に各デバイスでのステントグラフトの中枢・末梢の移動と今回の結果を総合し中枢ランディングゾーンの報告を踏まえ形態変化の予測因子として検討していく予定である。
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