研究課題/領域番号 |
22591419
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
杉本 貴昭 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (60399152)
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研究分担者 |
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30252018)
近藤 祐一 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70567213)
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90340968)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 鬱血性肝障害 / 肝切除シミュレーション / 肝静脈還流障害 |
研究概要 |
肝静脈還流障害による鬱血性肝障害は、大量(複雑)肝切除および生体肝移植術後肝再生遅延、肝不全の原因となる。門脈灌流領域と静脈還流領域の術前評価が極めて重要であるが、複雑な肝の脈管構造と立体構築、個体間の形態差によりその評価は時に難渋する。肝切除シミュレーションシステムを用い、解剖学的解析を行った。【対象】肝癌切除症例350例。【方法】日立OVAを用いて門脈3次分枝の灌流領域および肝静脈ドレナージ領域を解析した。1.門脈分岐形態:門脈3次分枝は頭側尾側(CC)型36%、腹側背側(VD)型30%、箒(Br)型(門脈3次分枝が同時に3本以上分岐)34%であった。2.静脈形態:CC型;頭側領域のドレナージ静脈は85.5%が右肝静脈と中肝静脈であり、これはV8vが中肝静脈にV8dが右肝静脈に流入していることを示唆する。VD型;腹側領域のドレナージ静脈は72.7%が中肝静脈、背側領域のドレナージ静脈は66.6%が右肝静脈であった。Br型;腹側背側尾側への3分岐型については腹側領域のドレナージ静脈は90.5%が中肝静脈、背側領域は71.4%が右肝静脈であった。またAnterior fissure vein(AFV)をCC型では19.5%、VD型・Br型では48.5%、46.2%と約半数に認めた。肝予備能に準じた切除術式の検討に静脈還流領域の評価を加味することが可能となり術式の検討に有用であった。3.前区域門脈背側領域枝が右肝静脈を超えて背側まで進展する症例はCC型:29.2%、Br型:38.5%であった。VD型では66.6%と半数以上の症例で門脈背側領域枝が右肝静脈を乗り越えており、系統的肝切除の際うっ血領域が生じる可能性が高く切離ラインの慎重な設定が重要であることが判明した。個々の解剖学的特徴を反映した“オーダーメイド肝切除”を行うために、静脈還流領域肝体積の評価の有用性が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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