研究課題/領域番号 |
22591422
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堀口 淳 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70272242)
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研究分担者 |
六反田 奈和 群馬大学, 医学部, 助教 (50420097)
時庭 英彰 群馬大学, 医学部, 助教 (50455979)
鯉淵 典之 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80234681)
岩崎 俊晴 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80375576)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 乳癌 / アロマターゼ |
研究概要 |
アロマターゼはアンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素であり、乳癌の増殖に関わる重要な酵素である。一方、グルココルチコイド受容体(GR)とretinoic acid receptor-related orphan receptor (ROR)αは核内ホルモン受容体であり、乳癌での発現が確認されている。我々は乳癌組織におけるRORαの発現解析を行い、RORαがアロマターゼ遺伝子の新規制御因子であることを同定した。それはアロマターゼプロモーターI.4上にRORα応答領域を見出したことによる。このプロモーターの約200bp上流にはGR応答領域が存在し、骨や脂肪組織においてGRがアロマターゼ制御因子である。乳癌組織を用いたRORα、GRおよびアロマターゼのmRNA発現解析結果によると、RORαおよびGRにはアロマターゼ発現との間に正の相関関係を確認できた。このことから、①乳癌組織におけるアロマターゼ発現はRORαにより直接制御されており、②乳癌組織においても骨や脂肪組織と同様にGR制御があることが考えられる。また、乳癌培養細胞を用いた実験ではアロマターゼプロモーターI.4遺伝子の活性がRORαとGRそれぞれ単独よりも両者の共発現により著明な相乗効果があることを確認した。RORαはエストロゲン受容体陽性乳癌またはHER2陰性乳癌で発現が高く、核異型度の高い乳癌で発現が低いことを示した。また、正常乳腺と乳癌を比較したところ、正常乳腺の発現量が有意に高いという結果を得た。つまり、乳腺組織が癌化するに伴いRORαの発現は低下し、さらに癌が低分化になるにしたがい発現が低下している。RORαの働きに関しては未解明な点が多いが、筋肉や大脳、小脳、さらにはリンパ球など全身の多くの臓器・細胞に発現しており、それぞれの臓器の正常な発達や恒常性を保つ方向に働いていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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