研究課題/領域番号 |
22591432
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和佐 勝史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10240467)
|
研究分担者 |
福澤 正洋 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (60165272)
曹 英樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00457011)
上原 秀一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00448060)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 腸管障害 / 抗がん剤 / グルタミン / アポトーシス |
研究概要 |
われわれは、新たな腸管再生因子として、腸管粘膜細胞にとって必須のアミノ酸であるグルタミンに着目し、抗がん剤cyclophosphamide(以下CPM)投与に伴う腸管障害モデルにおいてグルタミンの投与効果を、組織学的、生化学的指標を用いて明らかにしてきた。平成24年度は、これらの投与効果のメカニズムを明らかにする目的で以下の検討を行った。(方法)Wistar雄ラットを以下の3群に分類した。Control:生理食塩水(以下生食)腹腔内注入(i.p.)+生食胃内注入、グルタミン非投与群:CPM 300mg/kg(i.p.)+生食胃内注入、グルタミン投与群:CPM 300mg/kg(i.p.)+ グルタミン 1g/kg胃内注入。12hr, 24hr後に小腸を採取し、粘膜グルタチオン(GSH)量、Apoptosis(TUNEL染色)、粘膜増殖(BrdU染色)を評価した。(結果)粘膜GSHは、CPMにより有意に低下したが、グルタミン投与により有意に上昇し、コントロールのレベルまで復した。CPM投与によりクリプト領域でApoptosisの発現が著明に観察されたが、グルタミン投与によりApoptosisの発現は著明に抑制された。CPM投与によりクリプト領域での粘膜上皮細胞の分裂・増殖は著明に抑制されたが、グルタミン投与により、コントロールに近いレベルまで回復した。(考察)GSHは抗がん剤により誘導される活性酸素を抑制する作用を有する。今回の研究により、抗がん剤に伴う腸管障害モデルにおけるグルタミン投与効果のメカニズムは、活性酸素の作用の抑制、Apoptosis発現の抑制、腸管粘膜上皮細胞の分裂・増殖の促進、であることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|