研究課題/領域番号 |
22591444
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
相本 隆幸 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10267122)
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研究分担者 |
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90267211)
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キーワード | 膵癌 / 遺伝子治療 / MDA7/IL24 / gemcitabine |
研究概要 |
【目的】膵癌に対する新規治療法としてMDA7/IL24を用いた遺伝子治療を開発し、Gemcitabineとの相乗効果により膵癌の治療成績を向上させることを目的としている。 【実施計画】1.複数のルシフェラーゼ発現ハムスター膵癌細胞株(PGHAM-1/Luc))の樹立、およびハムスター膵内移植膵癌モデルの確立、2.発現効率の良好な治療用AAVベクターの作製と最適な投与法の確立、3.PGHAM-1/Luc細胞に対する治療用AAVベクターとGemcitabineの抗腫瘍効果、および相乗効果の検討、4.複数のヒト膵癌細胞株に対する治療用AAVベクターとGemcitabineの増殖抑制・アポトーシス誘導効果の検討、および相乗効果の検討。 【研究成果】1.本施設で確立されたハムスター膵癌細胞株(PGHAM-1)よりクローニングで3種類の膵癌細胞株を樹立し、本実験に用いた。レンチウイルスにてルシフェラーゼ遺伝子を導入し、ルシフェラーゼ発現膵癌細胞株(PGHAM-1/Luc)の樹立に成功した。次にPGHAM-1/Luc細胞(4x10^6個/μ1)をハムスター膵脾葉に移植し、膵癌実験モデルを作製しIVISにて経時的に観察した。膵脾葉への癌生着率は75%で、移植1週後よりIVISにて確認された。移植4週頃より原発巣とともに腹膜播種が20%にみられた。全例が3か月以内に癌死した。以上のように膵内移植膵癌モデルを確立した。2.治療用AAVベクターを作製し、筋肉内・静脈内・門脈内の投与別、AAVのtype1-12別に発現効率を検討したところ、AAV-8ベクター・筋肉内投与群で用量依存性・経時的に良好な血清中IL24の増加がみられた。3.GemcitabineによるPGHAM-1/Luc細胞への抗腫瘍効果およびアポトーシス誘導効果を検討し、in vitro,in vivoにおける至摘投与濃度が決定された。同時に複数のヒト膵癌細胞株に対するGemcitabineのin vitroにおける至摘投与濃度も決定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
良質の治療用AAVベクターの確立にやや難渋し時間を要した他は、in vitro,in vivoとともに順調に治療実験が進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ハムスター膵癌細胞株およびヒト膵癌細胞株に対するIL-24とGemcitabineのin vitroにおける増殖抑制・アポトーシス誘導の相乗効果を検討する予定である。さらに、実験膵癌モデル(in vivo)における治療用AAVベクターやgemcitabineによる腫瘍抑制効果、転移抑制効果、そして相乗効果などを検討し、ルシフェラーゼ発現ヒト膵癌細胞株を樹立後、ヒト膵癌細胞を用いたin vivoの治療実験を施行する予定である。
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