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2010 年度 実績報告書

抗体デリバリーを規定する腫瘍側生物学的抵抗因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22591447
研究機関独立行政法人国立がん研究センター

研究代表者

安永 正浩  独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 室長 (80450576)

キーワード抗体 / 抗体デリバリー / in vivoイメージング / DDS / 間質バリア / 抗体インターナリゼーション / 膵臓がん / 悪性リンパ種
研究概要

抗細胞抗体・抗がん剤付加ミサイル療法は血液性の悪性腫瘍には有効であるが、肺・膵がんなどの固形腫瘍に対しては無効とされている。この疑問を解くために、これまで抗がん剤耐性遺伝子・がん生存シグナル・がん幹細胞など分子生物学・細胞生物学的見地から取り組まれることが多かったが、抗体デリバリーという観点からアプローチされることはなかった。本研究は、(1)細胞内抗体インターナリゼーション(2)血管多寡・透過性(3)間質バリアという、抗体デリバリーに影響を与えると思われる因子についてがん種別に比較検討することで、腫瘍側生物学的因子としての特性を明らかにしようというものである。本年度は、(1)がん種別の細胞内インターナリゼーション効率の違いについて検討を行い、悪性リンパ種と抗CD20抗体の組み合わせでは、細胞株によらずに6時間以内に90%以上の細胞で抗体インタナリゼーションを認めた。一方、膵臓がん、大腸がん、乳がんと抗EpCAM抗体の組み合わせでは、24時間後においても全体的に抗体インターナリゼーションが低率であることと、15-50%と細胞株間での変動も大きく見られた。細胞内酵素を利用して薬剤を放出させるなどインターナリゼーションに依存した作用機序は、ミサイル療法が臨床現場で安定的に作用しない原因のひとつになり得ることが示された。(2)間質バリアを有する固形腫瘍モデルの作成及びその組織構築の病理学的検討を行った。乳がん株(MCF7、T47D)、大腸がん株(HT29、DLD1、HCT116、SW480)、膵臓がん株、(PSN1、SUIT2、CAPAN)についてXenotransplantモデルを作成した。膵臓がん株SUIT2とCAPAN細胞がコラーゲンを中心とする厚い間質で囲まれていることが明らかになった。間質バリアを有するがんモデルとして適切であると判断された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (3件) 産業財産権 (2件)

  • [学会発表] in vivoイメージングによる腫瘍微小循環における抗体動態の解析2011

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 学会等名
      日本微小循環学会
    • 発表場所
      名古屋市立大学病院大ホール
    • 年月日
      2011-02-12
  • [学会発表] 間質ターゲット2010

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 学会等名
      日本生体医工学学会ナノメディシンフォーラム
    • 発表場所
      東京慈恵会医科大学1号館講堂
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] 間質バリア克服のための抗体DDS製剤の開発戦略2010

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 学会等名
      日本癌学会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル大阪
    • 年月日
      2010-09-22
  • [産業財産権] 抗フィブリン抗体・薬剤複合体による新規DDS製剤2010

    • 発明者名
      松村保広、安永正浩、眞鍋史乃
    • 権利者名
      国立がん研究センター・理学研究所
    • 産業財産権番号
      特許,特願2010-139572
    • 出願年月日
      2010-06-18
  • [産業財産権] 大腸がんマーカーに対する抗体2010

    • 発明者名
      松村保広、安永正浩、里深博幸、岡部洋子
    • 権利者名
      国立がん研究センター・株式会社バイオマトリックス研究所
    • 産業財産権番号
      特許 特願2010-195962
    • 出願年月日
      2010-09-01

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公開日: 2012-07-19  

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