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2012 年度 実績報告書

抗体デリバリーを規定する腫瘍側生物学的抵抗因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22591447
研究機関独立行政法人国立がん研究センター

研究代表者

安永 正浩  独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, ユニット長 (80450576)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードDDS / ADC / 抗体 / 間質バリア / 悪性リンパ種 / 膵臓がん / SN-38
研究概要

Antibody drug conjugate (ADC)は血液性の悪性腫瘍には有効であるが、膵がんなどの固形腫瘍に対しては無効とされている。この疑問を解くために、抗体デリバリーという観点からアプローチを行った。本研究は、(1)細胞内抗体internalization (2)血管多寡・透過性(3)間質バリアという、抗体デリバリーに影響を与えると思われる因子についてがん種別に比較検討することで、腫瘍側生物学的因子としての特性を明らかにしようというものである。前年度までに、抗CD20抗体が悪性リンパ種(ML)でinternalization効率がいいことと、抗EpCAM抗体が膵臓がん(PC)でinternalization効率が悪いことを明らかにしていた。本年度は(2)(3)について、検討を行った。In vivoイメージングでは、血管が豊富で間質の少ないMLにおいて抗CD20抗体は血管外漏出後に腫瘍全体に送達されていたが、PCでは血管が少ないことと豊富な間質成分による間質バリアのために抗EpCAM抗体の腫瘍内部への浸透が抑制されていた。次いで、抗CD20抗体と抗EpCAM抗体には細胞内リリース型のカルバメート結合リンカーで抗がん剤SN-38を付加した(CD20-C-SN38、EpCAM-C-SN38)。CD20-C-SN38はMLで著明な抗腫瘍効果(40%でCR)を示したが、EpCAM-C-SN-38の抗腫瘍効果は弱かった。そこで、膵臓がん間質に豊富なコラーゲン4を標的にした抗体に、細胞外リリース型のエステル結合リンカーでSN-38を付加した(Col4-E-SN38)。Col4-E-SN38は膵臓がんで著明な抗腫瘍効果を示した。腫瘍側生物学的因子を明らかにして、適切なADCをデザインすることで、抗体デリバリーの改善と共に薬剤を有効に作用させることができることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Tailored immunoconjugate therapy depending on a quantity of tumor stroma2013

    • 著者名/発表者名
      Yasunaga M.
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 104 ページ: 231-237

    • DOI

      10.1111

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗フィブリン抗体を用いたCancer Stroma targeting(CAST)診断法の開発

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 学会等名
      第28回日本DDS学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
  • [学会発表] CAST (Cancer Stromal targeting)診断治療法の開発

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 学会等名
      第21回日本バイオイメージング学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
  • [学会発表] Development of fibrin-targeting CAST (Cancer stromal targeting) diagnosis and therapy

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌
  • [学会発表] Developmental strategy of CAST (Cancer stromal targeting) therapy using DDS (Drug delivery system) and Imaging technology

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 学会等名
      The Chemo-Bio Informatics Society Annual Meeting 2012
    • 発表場所
      東京・タワーホール船堀
  • [学会発表] Development of CAST (Cancer stromal targeting) diagnosis and therapy using anti-fibrin monoclonal antibody

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 学会等名
      第38回日本微小循環学会総会
    • 発表場所
      東京慈恵会医科大学
  • [図書] 抗間質抗体を利用したがん標的治療2012

    • 著者名/発表者名
      安永正浩
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [備考] 東病院 臨床開発センター 研究グループと研究内容 治療開発グループ 新薬開発分野 スタッフ

    • URL

      http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/rcio/research/itd/mayasuna.html

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公開日: 2014-07-24  

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